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 トヨタ自動車が全面改良して発売した新型SUV(多目的スポーツ車)「レクサスNX」。目玉の1つが、レクサスブランドとして初めてプラグインハイブリッド車(PHEV)を用意した点だ(図1)。システム構成はトヨタのSUV「RAV4 PHV」と共通だが、NXの開発担当者によると「違いがある」という。

図1 全面改良した新型SUV「レクサスNX」
図1 全面改良した新型SUV「レクサスNX」
PHEVの「NX450h+」は714万円(消費税込み)から。(撮影:日経Automotive)
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 違いを解説する前に、NXとRAV4の共通点を整理しておく。車両のプラットフォームは、トヨタの車両開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づいて開発した中型FF(前部エンジン、前輪駆動)車向けの「GA-K」を適用した。

 プラグインハイブリッド機構のハードウエアも、「NXとRAV4 PHVで基本的に同じ」(トヨタパワートレーン製品企画部主査の岡田卓也氏)だ。排気量2.5Lの直列4気筒ガソリンエンジンに、前・後輪のモーターやリチウムイオン電池、電気式無段変速機(CVT)を組み合わせる(図2)。

図2 トヨタのSUV「RAV4 PHV」
図2 トヨタのSUV「RAV4 PHV」
レクサスNXとプラットフォームを共用する。価格は469万円(消費税込み)から。(画像:トヨタ自動車)
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 NXのPHEV「NX450h+」に搭載するエンジン「A25A-FXS」の最高出力は136kWで最大トルクは228N・m。メインの駆動モーターは前輪側で、最高出力は134kWで最大トルクは270N・m。後輪モーターの最高出力は40kWで最大トルクは121N・mで、主に4輪駆動(4WD)システムのために使う。

 床下に配置したリチウムイオン電池の容量は18.1kWhである。電気自動車(EV)として走行できる距離(EV航続距離)はWLTCモードで88km。電池セルはトヨタとパナソニックが共同出資するプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)製で、トヨタが電池パックに仕上げて車両に搭載している。

前後駆動力配分を変更

 本題の違いは「走り」にある。差異を体感しやすいのが、カーブを曲がるときだ。NXのプラグイン・ハイブリッド・システム開発担当者によると、「旋回時にリア側のトルク配分をRAV4 PHVより増やすことで、安定感を向上させた」という。

 RAV4 PHVの場合、旋回時の前後駆動力配分はフロント90:リア10だった。一方、NX450h+はフロント80:リア20と、リア側により多くの駆動力を配分できるように制御を変えた。

 RAV4 PHVとの違いを理解したところで、NXのPHEVのエンジンルームを確認してみる(図3)。NXのハイブリッド車(HEV)「NX350h」と同じに見える(図4)。だが、ここにも違いがある。

図3 NX450h+(PHEV)のエンジンルーム
図3 NX450h+(PHEV)のエンジンルーム
エンジンやPCU、駆動用モーターなど、部品がぎっしりと詰まっている。(撮影:日経Automotive)
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図4 NX350h(HEV)のエンジンルーム
図4 NX350h(HEV)のエンジンルーム
基本構成はPHEVのNX450h+と同じ。PCUにつながるオレンジ色の高電圧ケーブルなどに違いが見られる。(撮影:日経Automotive)
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 注目すべきは、電動パワートレーンを制御するPCU(パワー・コントロール・ユニット)だ。