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 新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の広がりを受け、国内の大手IT企業にも海外出張の制限を強めるといった形で影響が出てきたことが分かった。日経クロステックは2021年12月2日から6日にかけて、国内で事業を展開する主なIT企業/通信事業者20社に対し、オミクロン型の影響をヒアリングした(回答一覧は記事末に掲載)。

海外出張、再び厳しく

 いち早く動いたのはソフトバンクだ。2021年12月1日から海外出張を原則として禁止した。2021年11月までは本部長以上の承認を条件に、必要最低限の出張を認めていた。

 NTTも警戒レベルを上げた。以前から新型コロナの流行や変異型が確認された国・地域への渡航と新規赴任を原則禁止してきた。今回さらにオミクロン型の感染が判明した地域への渡航なども原則禁止とした。その他の国や地域への出張も必要最低限にとどめているとする。

 2社以外の企業も以前からの方針を継続し、海外出張に厳しい制限を課している。「緊急事態宣言の解除後も原則(海外出張を)避ける方針を続けている」(NEC)、「国内を含めた不要不急の出張の制限を続けている」(NTTドコモ)、「2020年3月以降、(海外出張の)原則禁止を続けている」(富士通)といった回答が相次いだ。

出勤やプロジェクトの進捗は「特に影響なし」

 世界保健機関(WHO)などによれば、オミクロン型は、デルタ型など他の新型コロナウイルスよりも感染力が強い可能性がある。とはいえ、国内の新型コロナ感染者数は足元では落ち着いている。東京都内であれば、1週間当たり100人台にとどまる。

 こうした状況のなか、国内大手IT企業の大半は国内事業について、在宅勤務を原則とするといったコロナ流行期と同じ方針を、緊急事態宣言の解除後も継続している。ヒアリングでは、日本国内での事業活動に対するオミクロン型の影響は「今のところ特にない」とする声が多かった。

 加えて、在宅と出社の割合といった勤務体系も、システム開発などの現場業務にも、オミクロン型を理由に何らか方針を変えた企業はなかった。事業活動に影響を及ぼすほどの対応がオミクロン型でも必要か、注視し見極めようとしている段階といえる。

 楽天グループは2021年11月からオフィスへの出勤日数を週4日以上、在宅勤務は同1日以内と、従来よりも出社の割合を増やした。この方針を2021年12月6日時点でも維持している。緊急事態宣言の解除を受けて「出社7割削減」の数値目標を2021年10月になくしたKDDIも、再度の出社抑制の指示は出していない。

 日立製作所は「原則在宅勤務とし、必要に応じて各部署の判断のうえで出社する方針に変更はない」と回答した。リモート開発ツールの活用などにより、システム開発プロジェクトなどの進捗に大きな影響は出ていないという。

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)、日本IBM、日本マイクロソフトといった海外大手ITの日本法人各社も、オミクロン型を受けての方針変更は特にないと回答した。