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 イメージセンサーでシェア首位をひた走り、さまざまな「業界初」の技術を量産レベルにまで引き上げてきたソニーが再び新たな技術を送り出す。ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、ソニー)は2021年12月15日(米国時間)、米サンフランシスコで開催中(12月11~15日開催)の半導体分野の国際学会「67th International Electron Devices Meeting(IEDM 2021)」において、新しい構造のイメージセンサーを発表した。同構造の採用により、例えば明所の撮影性能を約2倍に向上させて、ダイナミックレンジの拡大を図れる。加えて、ノイズも低減可能で、暗所での撮影性能を高められる。この新構造のアイデア自体はこれまで存在したものの、量産に適用できる水準に達した点が大きい。

 今回の新構造では、光電変換を担うフォトダイオード(PD)部と、アンプトランジスタやリセットトランジスタなどで構成する画素トランジスタ部を、別々のウエハー(基板)で形成して積層している。従来、PD部と画素トランジスタ部は同一ウエハー上に形成していた。

今回の新しい画素構造と従来構造の比較
今回の新しい画素構造と従来構造の比較
(出所:ソニー)
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新しい画素構造の断面
新しい画素構造の断面
(出所:ソニー)
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 PD部と画素トランジスタ部を別ウエハーにすることで、それぞれで構造の最適化を図りやすくなる。その結果、PD部であれば、1つの画素で蓄積できる電子の最大値である「飽和信号量」を高めて、より明るい場所でもきれいに撮影できるようになった。この結果、ダイナミックレンジを拡大できる。新構造の導入によって、従来の裏面照射型イメージセンサーに比べると、1μm角換算で約2倍の飽和信号量を確保できるという。

 画素トランジスタ部では、PD部が同一の層になくなった分、アンプトランジスタのサイズ拡大が可能になった。これにより、暗所撮影時に発生しやすいノイズを大幅に低減できたとする。