全1923文字
PR

 パイオニアが市販のディスプレーオーディオ(DA)や同カーナビ事業に注力している。新型車への純正採用が進むDAは、今後市販向けの需要も拡大するとみる。市販カーナビは、国内の既販車市場を狙う。

 DAはAV一体型のカーナビ専用機からナビ機能を省いたもの(図1)。同機能はスマホの地図アプリで代用する。米Apple(アップル)や同Google(グーグル)が提供するスマホとの連携サービスによって、DAに地図アプリを映し出し、ナビとして使う。

図1 パイオニアの市販DA
図1 パイオニアの市販DA
図は画面の大きさが9インチのモデル。(出所:パイオニア)
[画像のクリックで拡大表示]

国内の市販DA市場は徐々に拡大

 自動車メーカーが新型車にDAを純正品として搭載する流れがでており、軽自動車への搭載例もでてきた。

 一方の市販市場では、カーナビとDA全体の出荷台数のうちDAの構成比は「現状では10%以下」(同社モビリティプロダクトカンパニー市販事業統括グループ統括部長の池田 寛氏)程度だが、徐々に高まっている。同氏は「自動車メーカーが純正品としてDAの採用を進めることで認知が広がり、長期的には市販品もカーナビからDAにシフトしていく」と想定する。

 市販DAの主な市場は、現時点では、スマホとの連携サービスが浸透している海外だ。パイオニアは、国内の市販DAでトップのシェアで、海外でも同DAの市場でも先頭を争う。海外の方がDAの普及が早かったのは、「国内市場ではカーナビがこの30年間で著しく進化したから」(池田氏)。

国内では限界がある画面の大型化

 車載ディスプレーにおける潮流の1つに「大画面化」がある。画面が大きくなることで視認性の向上が見込める。11インチ級の製品を扱うメーカーも現れた。だが、パイオニアが現在展開する市販DAは6.8~9インチで、市販カーナビを含めても10インチまでである。

 画面の大きさをむやみに追求しない理由は、国内の自動車市場にある。同市場では新車販売に占める軽自動車や小型車の構成比が高く、こうした車両はインストルメントパネルにおける空間の制約を考慮する必要がある。例えば、「フローティング型」と呼ばれる室内中央側に突き出るタイプのDAは、画面が大きくなるとハザードランプのボタンやエアコンなど他の機器と干渉しやすくなる。

 池田氏は「11、12インチというように単純に画面を大きくすれば良いわけではない。当面は9~10インチまでだろう」とみている。一方で、米国をはじめとする海外市場は、車両のサイズが国内より大きいため、画面の大型化の効果は期待できるという。