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 水道バルブの製造・販売・施工を手掛ける森田鉄工所が、営業データを管理する業務システムを内製した。紙やExcelベースだった業務のムダを省き、全国の営業所間のデータのやりとりをスムーズにするなどの改善につなげた。開発を担ったのはシステム開発未経験だった2人の女性社員。営業事務の仕事をこなしながら並行作業で開発した。開発期限を設けず、残業もなし。決して無理しない「マイペース内製」とは。

 森田鉄工所は従業員数163人(2021年12月1日現在)と、製造業における中小企業庁の分類上は「中小企業」に該当する。同社が開発したのは「moos(Morita Office Operating System、モース)」。受注情報や契約情報の一元管理を主な機能とするシステムだ。営業担当者が得意先、製品の種類・仕様や工事の有無や予定などといった情報を逐次入力すれば、上司や製造部門などの関係者が必要な時に参照できる。案件にもよるが、moosができたことで営業事務の作業量は「10分の1から3分の1程度に減った」(営業本部業務管理課兼システム開発室の西田智子課長)という。

営業関連の情報を一元管理するシステムを内製し、業務を効率化した
営業関連の情報を一元管理するシステムを内製し、業務を効率化した
(撮影:日経クロステック)
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 moos導入前は、営業が契約を基に製作指示を出す書類をExcelにて作成。これを製造部門にFAXで先行して送信し、さらに原本を郵送していた。重複した業務フローのため、社内でデータが散乱していた。

 森田鉄工所は全国の自治体を納入先として抱え、営業だけで東京、大阪ほか札幌、福岡など8つの拠点を持つ。地域間で連携して進める案件では必要な情報を電話で問い合わせて調べてもらう必要があるなど、データ活用におけるタイムラグや繁忙期の業務負荷増大が課題だった。例えば受注場所と納品場所が違う場合に、従来のやり方では情報共有のためいちいち電話で問い合わせて確認していた。moosを使えば社員が権限に応じて必要な情報を見られるので、それぞれの拠点から最新の情報を確認できる。円滑に業務を進められるようになったという。