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 「戦前から変わり続けてきた総合商社にはトランスフォーム(変革)のDNAがある」。三井物産の真野雄司執行役員デジタル総合戦略部長はDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みの手応えをこう語る。

 「人の三井」と呼ばれる同社は、ビジネススキルとデジタルスキルを兼ね備えた「DXビジネス人材」の育成を進めている。2023年度中に100人の体制を目指す。

DXビジネス人材の概要
DXビジネス人材の概要
三井物産の資料を基に日経クロステック作成
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 同社は2009年に経営会議の下に情報戦略委員会を立ち上げるなどして、DXに早期から積極的な姿勢を見せている。2017年に総合商社として先駆的にCDO(最高デジタル責任者)を任命。2019年には情報システムを運用するIT推進部と経営企画部の中にあるDXチームを1つに統合し、デジタル総合戦略部を設立した。このデジタル総合戦略部がDXビジネス人材の育成を担う。

 DXビジネス人材を育成する仕掛けの1つは、2021年5月に開講した人材育成プログラム「Mitsui DX Academy」だ。同プログラムは大きく3つの要素で構成される。

 1つめは、基礎知識習得を狙う2つのeラーニングだ。まず「DX for everyone」と呼ぶeラーニングのコンテンツを内製した。既に全社員が受講済みで、現在は英語版を使って海外現地法人や関係会社の社員を対象に受講を進めている。さらに、ベネッセコーポレーションが国内企業に提供するeラーニングサービス「Udemy Business」を導入し、ピックアップした約40講座からいくつかを選び受講できるようにした。

 2つめはブートキャンプである。デジタル総合戦略部が対象とするDXプロジェクトをピックアップ。主に営業部門の社員がそこに加わる。現在は15人が1期生として受け入れられている。対象のDXプロジェクトはヘルスケア事業や物流改革など幅広い。

 3つめは「DX Executive Education」と呼ぶ海外大学への留学制度だ。既存のMBA留学制度の枠組みを活用して、通常コースとは別にDXコースを作り、中期的に学位の取得を目指す。また数週間の短期留学も活用する計画だ。