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総投資額は17億7500万ドル

 2016年6月に、CPUCは同州で唯一稼働中の原発であるディアブロ・キャニオン発電所を2025年までに閉鎖することを決定した。この発電所は、カリフォルニア州中西部のサンルイスオビスポ郡アビラ・ビーチに位置し、出力2.2GW(1.1MW/基を2基)の原子炉が年間約1万8000GWhもの電力を供給している。

 ディアブロ原発の閉鎖によって、この電力供給量をどの電源でまかなうのかが今後の焦点だ。

 ハイドロストアは、同社の関連会社である米ペチョLDエネルギーストアレージ(Pecho LD Energy Storage)を通して、2021年11月下旬に、ディアブロ原発の代替として、カリフォルニア州中西部のサンルイスオビスポ郡に500MW・4000MWhのCAESを設置するための申請を提出した。

 「ペチョ・エネルギー貯蔵」と呼ばれるこのプロジェクトは、カリフォルニア州で電力の需要が低い時間帯に発電された太陽光と風力の余剰電力を取り込み、圧縮空気の形で貯蔵するように設計されている。需要の多い時間帯に、高圧空気を使用して、フル稼働で少なくとも8時間、連続で発電できるようになっている。

 ハイドロストアによると、出力と容量(連続発電時間)の点で、州内にある既存の全エネルギー貯蔵プロジェクトよりも大規模になるという。このプロジェクトの設備投資額は約8億ドルとなっている。

 今月に入り、同社は2つ目のプロジェクトも申請した。それは、カリフォルニア州南部のカーン郡ロザモンド市で400 MW・3200MWhのCAESプロジェクトである。

 申請したのはハイドロストアの関連会社である米ジェムA-CAES (Gem A-CAES)で、「ジェム・エネルギー貯蔵」と呼ばれるこのプロジェクトの設備投資は、9億7500万米ドルと見積もられている(図4)。

図4●カリフォルニア州で開発予定の「ジェム・エネルギー貯蔵センター」(イメージ図)
図4●カリフォルニア州で開発予定の「ジェム・エネルギー貯蔵センター」(イメージ図)
(出所:Hydrostor Inc.)
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 CECは、再エネ発電施設の許認可に関して主導的な役割を担っており、今回のCAESに関しても、申請書の受け取り後、包括的な公開レビュープロセスを開始する。蓄エネルギー施設が導入される郡と他の多くの地方、州、連邦の機関、および関心のあるコミュニティの利害関係者は、CEC主導のレビューに密接に関わっていくことになる。

 「ペチョおよびジェム・エネルギー貯蔵センターは開発過程の後半に進んでいます。同社は、土地管理、許認可(CECへの申請)、エンジニアリング、系統連系、資金調達など、重要なマイルストーンを着実に達成してきました。現在、(2つのプロジェクトが)2023年初頭の承認を得られることを目指しています」と、ヴァンワレグヘム氏は語った。

 CECの承認が予定通りに取得できれば、施設は早ければ2026年の運転が可能になる。