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 2025年度からの導入に向けて、次世代の電力メーターの仕様策定が大詰めを迎えている。2021年12月17日に資源エネルギー庁が開催した「次世代スマートメーター制度検討会」による議論の結果、家庭向けの電力メーターと住戸内のエネルギー管理システム(EMS)を接続する「Bルート」において無線LANを使用することが決まった。電力メーターが無線LANに対応することで、消費電力量のデータ活用などに向けた利便性が大きく向上しそうだ。

一般家庭に設置されている電力用スマートメーター
一般家庭に設置されている電力用スマートメーター
(撮影:日経クロステック)
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 日本の多くの家庭や企業には「スマートメーター」と呼ばれる電子式の電力メーターが設置されている。各家庭や企業による消費電力量を遠隔監視できる機器だ。東京電力が2014年に導入を始めたことをきっかけに、従来のアナログ方式からの置き換えが全国で進んでいる。

2034年度までに全数置き換えを目指す

 電力メーターの使用期限は最長10年と法律で定められている。東京電力が2014年に導入した現行型の交換が必要になるため、当初は2024年度から次世代型への置き換えを始めることを予定していた。しかし、次世代型の仕様案の議論を踏まえてスケジュールを精査した結果、1年遅らせることになったという。2024年に使用期限を迎える電力メーターは現行型の新品交換にとどめ、2025年度から次世代型への置き換えを始める。2034年度の全数置き換え完了を目指す計画だ。

 スマートメーターの通信ルートは、電力やガス事業者側でメーターを管理する「メーターデータ管理システム(MDMS)」とつながる通称「Aルート」と、住戸やビルのEMSにつながるBルートの2つがある。スマートメーターの検針値のデータをBルート経由でEMSに送信して、消費電力の見える化やデマンドレスポンスなどに役立てるわけだ。 EMSは住戸やビル内のエネルギーの使用状況をリアルタイムに把握して管理し、家庭向けを「HEMS」、ビル向けを「BEMS」と呼ぶ。

 現行の電力メーターのBルートでは「Wi-SUN」という通信規格が使われている。ただし、この規格に対応するHEMS機器がほとんど普及していないので、一般家庭の電力メーターではBルートがあまり活用されていなかった。

 そこで次世代の家庭向け電力メーターには一般家庭で広く使われている無線LANを活用して、Bルートの活用促進を狙う。