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 「AI(人工知能)の予測モデルの開発に詳しいユーザーだけでなく、ビジネスで予測モデルを利用する側のユーザーにとってもAIを開発しやすくなった」。米DataRobot(データロボット)のNenshad Bardoliwalla CPO(最高製品責任者)は、同社が提供する予測モデル開発支援プラットフォーム「DataRobot Enterprise AI Platform」のアップデートについてこう語る。同社は2021年11月に、新版として「DataRobot AI Cloud」の提供を日本で開始した。

米DataRobot(データロボット)のNenshad Bardoliwalla CPO
米DataRobot(データロボット)のNenshad Bardoliwalla CPO
(出所:DataRobot Japan)
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MLOpsは予測モデルを切り替えるかどうか判断するだけ

 開発した予測モデルの精度を保ったまま運用するためには、予測モデルの精度監視や適切な再学習が欠かせない。データロボットは学習データの準備から予測モデルの運用・保守(MLOps)まで一貫してユーザーを支援する「Automated Machine Learning(AutoML)」を提供している。今回のアップデートでは、開発した予測モデルを組み込んだアプリケーションをノーコードで開発できる機能や、開発した予測モデルの精度を自動で監視し必要に応じて予測モデルを自動で再生成する機能などを追加。機械学習の技術面に詳しくないユーザーでも容易に予測モデルを開発・運用できるようにした。

 予測モデルの精度低下を招く要因の1つに、予測モデルを開発する際に使った学習データと、日々の業務で予測モデルを適用しているデータの傾向が変わってしまう「データドリフト」がある。データドリフトを防ぎ予測モデルの精度を高く保つには、新しい学習データを使って予測モデルを再生成する必要がある。だが再生成に使うデータの質が低ければ、予測モデルの精度を保つどころか精度の低下につながる可能性もある。運用中の予測モデルの精度を常に監視し、適切に再生成することが重要だが、手間や高度な知見が必要だ。

 そこでデータロボットは今回のアップデートでMLOpsの機能を強化し、自動で精度監視し、精度が低下したら自動で再生成する機能を実装した。ユーザーがあらかじめ「予測モデルの精度が〇%以下になったら再生成する」という目標を設定し、予測モデルの精度が目標を下回ると予測モデルの再生成が自動で始まる仕組みだ。再生成には予測モデルが実運用で適用対象としているデータを活用する。

データロボットが提供するMLOps支援機能の画面例。運用中のモデルの精度などを自動で監視する
データロボットが提供するMLOps支援機能の画面例。運用中のモデルの精度などを自動で監視する
(出所:DataRobot Japan)
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 ユーザーは運用している予測モデルと、自動で再生成した予測モデルの精度を見比べて、予測モデルを切り替えるかどうか判断するだけで精度を保てるようになる。再生成のタイミングや方法について詳しくないユーザーでも適切に予測モデルを運用できるようになる。DataRobot Japanの小川幹雄データサイエンスデイレクターは精度監視の頻度について「常に監視する、毎月1回だけ監視するなど複数の設定が可能だ」と説明する。