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 みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行は2022年1月17日、業務改善命令に基づく業務改善計画を金融庁に提出した。合わせて新たな経営体制を発表し、みずほFGのグループ執行役員として日本IBMの下野雅承名誉顧問を招へいする。システムの立て直しに向け、IBMカラーが一層強まる。

 「今はみずほにとって正念場という認識だ。私に課せられた使命はシステム、業務の安定稼働の確保にある」。2022年1月17日に開いた記者会見で、2月1日付でみずほFGの社長に就く木原正裕執行役はこう語った。

みずほフィナンシャルグループの新社長に就く木原正裕氏
みずほフィナンシャルグループの新社長に就く木原正裕氏
(撮影:日経クロステック)
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 木原氏は当初、4月1日付で社長に昇格する予定だったが、坂井辰史社長の体調不良を受けて就任を2カ月前倒しした。現在、大企業・金融・公共法人カンパニー長とグローバルコーポレートカンパニー長を務める今井誠司副社長は4月1日付で会長になる。グループCIO(最高情報責任者)は米井公治執行役が担う。

副CIOも日本IBM出身

 経営陣の人選で目を引いたのが外部人材の登用だ。金融庁に提出した業務改善計画においても、「経営・マネジメント層における外部人材登用」を盛り込んだ。

 その目玉といえるのが、日本IBMの下野氏の招へいだ。下野氏は2022年4月1日付で、みずほFGのグループ執行役員特命事項担当と、みずほ銀行の非常勤取締役に就く。みずほFGで指名委員長を務める甲斐中辰夫取締役は下野氏の役割について「IT戦略やガバナンスに関し、経営陣への提言などの役割を担ってもらう予定だ」と説明した。木原氏も「(システムの)アーキテクチャーや品質について、大所高所から見てほしい」と期待を語った。

 下野氏のキャリアは日本IBM一筋だ。1978年に入社し、2001年に取締役就任。取締役副社長執行役員や取締役副会長などを歴任し、2020年に名誉顧問になった。顧客企業のシステム運用などを担うグローバル・テクノロジー・サービス(GTS)部門が長い。