慢性的なセキュリティー人材の不足に悩む日本企業の多くは、米国やオーストラリアの企業が力を入れる対策に気づいていないか、軽視している可能性がある。NRIセキュアテクノロジーズが2022年2月8日に発表した「企業における情報セキュリティ実態調査2021」などから、こんな実態が浮かび上がった。
NRIセキュアの調査は日本の上場企業または従業員数350人以上の企業と、米国およびオーストラリアの同500人以上の企業に2021年10~11月に実施した。日本と米国、オーストラリアの企業の間で違いが際立ったのが、セキュリティー人材の不足に対する認識やその対策である。
日本企業の9割超はセキュリティー人材の不足を感じている。一方、米国とオーストラリアの企業はともに「充足している」という回答が80%台後半に達した。
こうした調査では一般に、日本企業のほうが米国企業などよりも悲観的に回答する傾向がある。また、米国などと比べるとセキュリティー人材の層の厚みにある程度の差はあるかもしれない。それにしても、認識にこれほどの差が開くのはなぜだろうか。