新型コロナウイルスの感染拡大を受けた特例措置によって認知度が高まったオンライン診療。2022年1月に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が一部改訂され、2月9日には4月から適用される診療報酬の内容が決まった。認知度の向上と共にこれまでのオンライン診療の実施要件や診療報酬の厳しさが露呈し、それらの改定の行方に注目が集まっていた。
オンライン診療の適切な実施に関する指針では、2020年4月に出された特例措置に限り認めていた初診を恒久化した。特例措置以前は対面診療が原則とされており、オンライン診療による初診は認められていなかった。改訂後は、オンライン診療の初診については原則かかりつけの医師が実施し、それ以外の医師で患者の医学的情報を十分に把握できない場合は、診療前相談を実施することで可能とした。
2022年4月から適用されるオンライン診療の診療報酬は、対面診療を実施する場合と近付いた。対面診療による初診の診療報酬の点数が288点(2880円)であるのに対し、特例措置下でのオンライン診療による初診は214点(2140円)に留まっていた。今回の改定で新たにオンライン診療による初診料を設定し、251点(2510円)とした。対面診療による初診の場合に算定できる約87%の水準である。再診料は対面診療と同じ73点(730円)となった。
また、患者指導などを実施した際に算定する「医学管理料」も対面診療の場合と近付いた。これまでオンライン診療では限られた種類の医学管理料しか算定できなかったが、検査を伴わないものなど条件を満たせば幅広く算定可能となった。医学管理料の点数も見直された。対面診療時の医学管理料は疾患や内容によって個別に定められているが、特例措置以前のオンライン診療の場合は一律100点(1000円)だった。今回の改定で、オンライン診療の管理料は一部を除き、対面診療時の約87%の点数を算定できるようになるという。