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 ID管理のクラウドサービスIDaaS(アイデンティティー・アズ・ア・サービス)を手がけるHENNGEは2022年3月15日、リモートアクセスのクラウドサービス「HENNGE Connect」を同年4月4日に開始すると発表した。ユーザー企業はVPN(仮想私設網)装置を自前で運用する手間なく、遠隔からクラウド経由でオンプレミスの業務システムにアクセスできるようになる。HENGEは主力のIDaaSにおいて、ファミリーマートや三菱地所など約2000社の顧客を持つ。

 2020年以降の新型コロナウイルス禍を受け、多くの企業がリモートアクセス環境を急きょ整えた。ただ、VPN装置を使う一般的なリモートアクセス環境では、従業員が一斉に接続すると混雑して動作が遅くなる「VPN渋滞」が相次いだ。最近はVPN装置の脆弱性を狙ったランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃が頻発し、多くの企業が対応に追われている。HENNGE ConnectはVPNを使わないため、VPN装置によるリモートアクセス環境のこれらの課題を解消できるとする。

 脱VPNをうたうリモートアクセスサービスは米国のIT企業が手がけるものの、日本のIT企業が開発したものは珍しい。HENNGEは中小企業にも手が届く割安な料金体系で米国IT企業の先行サービスと差異化し、ユーザー企業に採用を働きかける。

オンプレミス宛ての通信を絞って渋滞を回避

 HENNGE Connectは、遠隔からアクセスする利用者とオンプレミスの業務システムとの通信を、HENNGE側のゲートウエイで仲介するサービス。同社のIDaaSで認証された利用者だけに接続を認める仕組みによってセキュリティーを担保する。

HENNGEのクラウド基盤がオンプレミスやSaaSへの接続を仲介する
HENNGEのクラウド基盤がオンプレミスやSaaSへの接続を仲介する
出所:HENNGE
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 SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の通信はオンプレミス拠点に送らず、直接やり取りできるようにする。オンプレミス宛ての通信を最小限に絞り込むことによって、VPN渋滞を起こしにくくしている。

 VPN装置を使わない仕組みのため、ユーザー企業はVPN装置の脆弱性を修正するなどの運用負荷がなくなる。オンプレミスの業務システムとSaaSの認証をHENNGEのIDaaSに一本化することにより、利用者がアクセスするシステムごとにログイン操作をする手間も省ける。同社Cloud Sales Divisionの斉藤秀樹Deputy Division Managerは「複数のSaaSを使いこなしつつオンプレミスの業務システムも使う企業に使いやすい」と特徴を話す。