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 三菱ふそうトラック・バスは、小型電気自動車(EV)トラック「eCanter(eキャンター)」の次世代モデルを数年以内に発売する計画だ。EVトラック分野では最近になって日本でも、低価格を武器にした中国メーカーなどが攻勢を強めている。三菱ふそうは安全性能の強化といった車両の付加価値を高める戦略で、これらの競合メーカーに対抗する。

 現行のeキャンター(以下、現行車)は1車種しかないが、次世代モデル(以下、新型車)では車両のラインアップを拡充して、ユーザー企業の要望にきめ細かく応える。異なる航続距離の車種を用意し、架装(積載する荷物に合わせて造った荷台)の種類を増やす。こうした取り組みで新型車の付加価値を高め、競合メーカーとの競争に挑む(図1)。

新型「eキャンター」の試作車
図1 新型「eキャンター」の試作車
車種のバリエーションを増やし、量産タイプの新型車を数年以内に発売する。(撮影:日経Automotive)
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安全性能の強化で付加価値を高める

 新型車の付加価値を高めるもう1つの取り組みが、予防安全性能や衝突安全性能の強化である。現行車の先進運転支援システム(ADAS)では、(1)自動緊急ブレーキ(AEB)と(2)車線逸脱警報(LDW)という2機能を提供している。ディーゼル仕様のキャンター(以下、ディーゼル仕様車)と同じシステムだ。車両の周囲を検知するセンサーとしては、1個のミリ波レーダーと1個の単眼カメラを使う。

 これらのセンサーのうち、ミリ波レーダーは前部バンパー中央下部に、単眼カメラはダッシュボード上部に装着する。運転者の視認性を損ねないために、単眼カメラはダッシュボード上部の中央からやや運転席寄りに取り付けた(図2)。

ADASセンサーの搭載位置(現行車)
図2 ADASセンサーの搭載位置(現行車)
ミリ波レーダーは前部バンパー中央下部に、単眼カメラはダッシュボード上部に装着する。(出所:三菱ふそうの資料を基に日経Automotiveが作成)
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 自動ブレーキでは、ミリ波レーダーを使って車両や歩行者を検知する。現行車で使うミリ波レーダーは動く歩行者を検知でき、昼間と夜間で検知性能に差がない。そのためミリ波レーダーだけで、昼間の車両や歩行者に加えて、夜間歩行者にも対応できるという。車線逸脱警報では単眼カメラを使って白線(黄線を含む)を検知し、車線をはみ出しそうになると運転者に警報を出す。