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 「センサー、ドローン、AI(人工知能)診断、ビッグデータ分析など、あらゆる技術を活用するための『テクノロジーマップ』を整備してください」――。

 政府が2022年3月30日に開いたデジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)の第3回会合で、岸田文雄首相は牧島かれんデジタル相らにこう指示した。首相直々に指示が下るテクノロジーマップとは何か。どんな効用があるのか。

デジタル臨時行政調査会の第3回会合に出席した岸田文雄首相と牧島かれんデジタル相ら
デジタル臨時行政調査会の第3回会合に出席した岸田文雄首相と牧島かれんデジタル相ら
(出所:首相官邸)
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デジタル技術と規制見直しの対応を整理

 デジタル臨調では、目視や対面などが必要とする法令などについて総点検・見直しを進めている。2021年12月に策定した「デジタル原則」に基づく動きであり、法制度の面からデジタルに適した社会に変革していくことを狙う。

 現在、デジタル臨調に設置した作業部会が他省庁と連携しながら4万以上の法令などを総点検しており、2022年5月をめどに一括的な見直しプランを取りまとめる計画だ。中でも「目視規制」「実地監査規制」「常駐専任規制」など7項目については先行して見直し作業を進めている。

 法規制を見直してデジタル原則に適合させるには、オンライン手続きやWeb会議、カメラやセンサーといったデジタル技術を活用することが欠かせない。例えば工場などの現場にカメラやセンサーなどの技術を導入することで、従来の目視規制や実地監査規制などを撤廃できる可能性がある。

 そこでデジタル臨調は、こうしたデジタル技術と規制見直しの関係を整理したものを「テクノロジーマップ」と呼んで整備を進めている。

 ただデジタル技術の進歩は速く、サービスや製品も時々刻々と変わる。作業部会で各省庁やスタートアップなどにヒアリングをするなかで浮かび上がった課題が、ルールを運用する各省庁や地方自治体などが、技術やサービスの最新動向を把握する仕組みをどう構築するかである。

 「各省庁が技術情報の収集ノウハウがなかったり、ばらつきがあったりすることが分かったため、テクノロジーマップをつくることにした」。デジタル臨調の事務局長を務める小林史明デジタル副大臣は経緯をこう説明する。