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 ルノー・ジャポンは、2022年5月26日に発売する新型SUV(多目的スポーツ車)「アルカナ」に独自のハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID(イーテックハイブリッド)」を搭載する。同システムはシリーズパラレル方式で、連合を組む日産自動車の「e-POWER」とは異なる。2つのモーターと排気量1.6Lのガソリンエンジンを組み合わせた。

ルノーの新型SUV「アルカナ」
ルノーの新型SUV「アルカナ」
輸入車では珍しいストロング・ハイブリッド・システムを搭載している。(撮影:日経クロステック)
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 新型アルカナで注目すべきは、市街地と高速道路における燃費の差だ。e-POWERを搭載する日産の小型SUV「キックス」と比較すると分かりやすい。アルカナは、市街地モード(WLTC-L)の19.6km/Lに対し高速道路モード(WLTC-H)は23.5km/Lと、高速域のほうが燃費が良い。一方のキックスは、市街地モードでは26.8km/Lと優れるが、高速道路モードでは20.8km/Lまで落ちる。

 日産のe-POWERは、シリーズ方式を採用している。エンジンは駆動用ではなく発電のみに使用し、モーターだけで駆動する。市街地では燃費が良くなるものの、モーターの回転数が上がって効率が落ちる高速域では燃費が伸びにくい。

 一方、シリーズパラレル方式のE-TECH HYBRIDはモーターとエンジンの両方を駆動に使い、走行状態によって出力配分を制御する。高速域ではエンジンが主体で駆動するが、「積極的にモーターを使うように制御している」(ルノー・ジャポンの担当者)という。エンジンで電池を積極的に充電し、モーターがエンジンを補助する。

 実際に試乗すると、100km/hの速度域でもエンジンで発電機を回して電池の充電量を回復させたり、モーターのみで走行したりすることがあった。その際、エンジン音はほとんど気にならなかった。

10.2インチの液晶メーターを搭載
10.2インチの液晶メーターを搭載
モーターとエンジンの駆動力配分や電池の充電状況など、ハイブリッドシステムの状況を分かりやすく映し出す。(撮影:日経クロステック)
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 フランスRenault(ルノー)がシリーズパラレル方式を採用した理由は、燃費以外にもある。高速域での力強い走りだ。同社の主戦場である欧州では、ほとんどの高速道路の最高速度が日本よりも速い。そこでルノーは、エンジンとモーターの片方のみではなく、2つを両立させることで、100km/h超の高速域での加速性能の向上を目指した。

 高速域での燃費と加速性能を実現するため、E-TECH HYBRIDはエンジンと駆動用モーターの動力配分を12通りに制御できる機構を採用した。