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 「これまでは『コロナ禍で顧客からの相談をオンラインで受けられるようにしたい』といった、代理店のニーズに応える形でサービスを個別に提供してきた。サービスのラインアップがある程度そろい、これらを束ねた世界観で提供できるようにして、顧客の体験価値向上や代理店のDX(デジタル変革)をより推進していく」。アフラック生命保険でデリバリーコーディネーション部長を務める鍵谷圭二郎氏は、同社が2022年4月末にも正式発表する「Aflac Digital as a Service(ADaaS=アダース)」の狙いをこう説明する(本誌注:2022年4月28日に発表)。

 ADaaSは、デジタル技術を活用した代理店向けのサービス群を指す。クラウド風の名称にしたのは、「必要なものを必要なだけ使えるという考え方を表している」(鍵谷氏)からだ。当初は、Web上で代理店店舗を開設可能にする「デジタルほけんショップ」や、AR(拡張現実)技術を活用してアバターが商品内容を音声で伝える「ARパンフレット」など12種類のサービスをメニューに掲げる。

アフラック生命保険が提供する「ADaaS」の概要
アフラック生命保険が提供する「ADaaS」の概要
(出所:アフラック生命保険の資料を基に日経FinTech作成 写真提供:アフラック生命保険)
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「鏡」で顧客を呼び込む

 ユニークなサービスの1つが「アフラックミラー」だ。普段は店舗や家庭で鏡の役割を果たし、必要に応じてコンテンツを表示する。AI(人工知能)スタートアップ企業のゼネラが開発した「スマートミラー」を基に、「当社が持つ保険や健康関連のコンテンツを活用してカスタマイズしている」(デリバリーコーディネーション部ビジネスリレーション課グループ長の金井由紀子氏)という。

 アフラックミラー(店舗用)は縦長の大型ミラーで、例えば代理店の店頭に置いて「通りがかった人にミラーから声をかけて足を止めてもらい、相性診断で遊んだり保険料シミュレーションをしてもらったりする。さらに店内から担当者が声をかけるといった顧客接点の創出に役立てていきたい」(鍵谷氏)とする。