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 「足元の騒ぎさえ収まれば、マイナス影響は案外小さいのではないか」。SNS(交流サイト)などで物議を醸している楽天モバイルの月額通信料「最低0円」廃止について、複数の株式市場関係者は異口同音にこう指摘する。

「実質0円」は2022年10月まで

 楽天モバイルの現行プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は、月間のデータ通信量が1ギガバイト以下であれば月額通信料は0円で済む。同社はこれを廃止し、2022年7月に最低980円(税抜き、以下同)の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を導入する。

 現行プランの契約者は新プランに強制的に移行する。緩和措置として2022年10月末までの最大4カ月間は、月間データ通信量が1ギガバイト以下ならポイント還元などによって「実質0円」で利用できるようにする。だが、その後は月額0円で回線を維持できなくなる。

 楽天モバイルが現行プランを導入したのは2021年春のことだ。政府の度重なる値下げ要請を受け、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクの大手3社が一斉に割安プランを導入していた時期だった。

 楽天モバイルは対抗策として携帯電話業界では常識破りの「最低0円」を繰り出したが、わずか1年余りで撤回した。突然の0円廃止に反発するユーザーなどは、早くも割安な他社サービスに乗り換え始めているもようだ。

 こうした顧客流出は、携帯大手に比べて後発の楽天モバイルにとってかなりの痛手に見える。だが一方で、業界や株式市場関係者の間には「無料で顧客の裾野を広げてから有料化するのは、一般的なマーケティング手法だ」との見方もある。

オンラインショップだけでなく実店舗も展開して端末販売に力を入れる
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(撮影:日経クロステック)
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