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 意図的な品質不正が66件、管理職が関与した品質不正が15件──。三菱電機の品質不正が拡大した。2022年5月25日、同社の品質不正を追及する外部調査委員会(以下、調査委員会)が、「調査報告書(第3報)」(以下、報告書)を公表した。2303件の要調査事項(社員から上がった品質不正の可能性がある案件)のうち、1933件の調査を終了。合計148件を品質不正と認定した。このうち、「悪質」と言える意図的な品質不正は約45%、同じく管理職が関与した品質不正は約10%を占めることが判明した。

調査委員会の木目田裕委員長
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調査委員会の木目田裕委員長
BtoB事業では「三菱電機が甘えてしまう部分がある」という見方を示した。(写真:日経クロステック)

 意図的な品質不正は、社会システム事業本部が33件と突出して多い。これに自動車機器事業本部が12件、電力・産業システム事業本部が10件、FAシステム事業本部が8件と続く。

 一方で、管理職が関与した品質不正は順に、自動車機器事業本部が5件、電力・産業システム事業本部が4件、FAシステム事業本部が3件などとなっている。

 同じく悪質な品質不正と言える法令違反は3件見つかっており、コミュニケーション・ネットワーク製作所(社会システム事業本部)と冷熱システム製作所、福山製作所(FAシステム事業本部)が1件ずつ起こしている。

事業本部ごとに見た意図的な品質不正の件数
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事業本部ごとに見た意図的な品質不正の件数
(作成:日経クロステック)

「BtoB」に悪質な不正が目立つワケ

 悪質な品質不正が、社会システム事業本部と自動車機器事業本部に多い理由について、調査委員会の木目田裕委員長は仮説だと前置きした上で、「BtoB(企業間取引)で付き合いが長く顧客から任せてもらえるため、三菱電機が甘えてしまう部分がある」と指摘した。ここで「甘え」とは、「開発性能試験で性能は担保できているから、出荷試験は省いても構わないだろうと考える」(同委員長)ことを指している。

 今回の報告書により、全部で22ある製作所のうち8製作所までの調査を完了したという。具体的には、長崎製作所と、受配電システム製作所、鎌倉製作所、冷熱システム製作所、静岡製作所、京都製作所、産業メカトロニクス製作所、福山製作所である。ただし、調査が「終わった所でも追加で通報が来る。新しい情報提供(内部通報)があればすぐに調査する」(木目田委員長)。