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 2020年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する手段として、テレワークが普及している。これに伴って、Web会議サービスが浸透した。対面でのコミュニケーションが難しくなったテレワーク環境でも、パソコンやスマートフォンを使って気軽にコミュニケーションが取れるメリットがあるからだ。

 Web会議サービスと同じように、コロナ禍下で普及しているデジタルサービスがある。社外のビジネスパーソンとWeb会議などの日時を、オンラインで効率良く設定できる日程調整サービスである。日程調整サービスを利用することで、ユーザーは調整相手とメールなどをやり取りする手間や、調整済みの日程を、スケジューラーとも呼ばれるGoogleカレンダーやMicrosoft Outlookといったカレンダー機能を備えるSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)へ反映する手間などが省ける。

ここ1~2年で立ち上がるもユーザーが数万規模のサービスも

 こうした日程調整サービスはここ1~2年ほどの間に提供を始めたものが少なくない。例えばミクステンドが提供する「TimeRex(タイムレックス)」は2020年1月、 RECEPTIONIST(レセプショニスト)の「調整アポ」は2020年2月、E4(イーフォー)の「eeasy(イージー)」は2020年5月、ジクーの「Jicoo(ジクー)」は2021年4月に、それぞれ提供が始まっている。

日程調整サービス「eeasy」の画面例。パソコンに加えてスマートフォンからも利用できる
日程調整サービス「eeasy」の画面例。パソコンに加えてスマートフォンからも利用できる
(出所:E4)
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 提供を始めて1~2年ほどのサービスが多いものの、普及が加速している。例えば、2020年5月から提供が始まったeeasyでは上場企業をはじめ2万社以上が導入しているという。TimeRexでは、サービスをリリースしてから2年4カ月で、ユーザー数が8万を突破。調整アポでは月間で1万5000件ほどの日程調整が行われるようになっている。

 日程調整サービスは多様なユーザーに受け入れられているようだ。Jicooを提供しているジクーの鈴木真一郎社長CEO(最高経営責任者)によると、企業規模もスタートアップから大企業まで採用企業は幅広く、ビジネスパーソンが個人で利用するケースもあるという。「日程調整サービスは、個人でも使える予約システムとして裾野が広がっている」と鈴木社長CEOはみる。

カレンダーと連動して日程調整、Web会議のURLも発行

 日程調整サービスがどのようなものなのかを、ユーザーとして利用する場合の大まかな流れに沿って説明しよう。まずGoogle カレンダーやMicrosoft Outlookといったカレンダー機能を備えるSaaSと日程調整サービスをあらかじめ連携しておく。こうすることで日程調整サービスへユーザーの空き時間の情報を反映できる。ユーザーが自身の空き時間を日程調整サービスに設定しておくことも可能だ。

 ユーザーが日程調整をする場面になったら、日時予約用のWebページのURLを調整相手に向けてメールなどで送る。

 日時予約用のWebページは、ユーザーの空き時間などが表示されている。調整相手がこのWebページで日時を指定したり、自身の氏名や所属企業名などの情報を入力したりすると、ユーザーのカレンダーに指定日時と調整相手の情報が自動反映される。

日程調整サービス「調整アポ」における日程調整の流れ。ユーザーである「ホスト」は調整相手である「ゲスト」とシンプルな流れで日程を調整できる
日程調整サービス「調整アポ」における日程調整の流れ。ユーザーである「ホスト」は調整相手である「ゲスト」とシンプルな流れで日程を調整できる
(出所:RECEPTIONIST)
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 ユーザーが調整相手とオンライン会議をする場合、Web会議サービスのURLを自動発行することも可能だ。日程調整サービスの多くはZoom Meetings、Google Meet、Microsoft Teamsといった主要なWeb会議サービスと連携し、Web会議室のURLを自動発行できるようになっている。