全1769文字

 中小企業の脱・富士通メインフレームを支援するサービスが登場する。既存の業務ロジックをクラウドやオープンシステムへそのまま移す「リホスト」に向け、移行支援ツールの販売から移行作業の支援、移行後の運用・保守までワンストップで提供する。料金は1カ月当たり300万円からの月額制で、移行作業の期間に応じて費用を負担できるようにした。富士通が2030年度のメインフレーム撤退を表明したのを受けた新サービスだ。「1人情シス」などシステム運用余力に乏しい中小企業の需要を取り込み、将来的な「脱・富士通依存」へも道筋を開く。

 新サービスの名称は「Structure AtoZ」。メインフレーム向けミドルウエアを手掛ける日本ティーマックスソフト(TmaxSoft)が、システム運用支援のユニリタエスアールと共同で2022年5月末に始める。

新サービス「Structure AtoZ」の概要
新サービス「Structure AtoZ」の概要
(出所:日本ティーマックスソフト)
[画像のクリックで拡大表示]

 サービスの中核は日本TmaxSoftのミドルウエア「OpenFrame7」を使った既存アプリケーションの移行だ。OpenFrame7は富士通メインフレームのOSであるMSPやXSP上のプログラムの分析から移行、テストの実行支援ツールと、富士通メインフレームの階層型データベースとほぼ同等の機能を持つとするリレーショナルデータベース(RDB)から成る。プログラムのソースコードを変更せずに文字コードをメインフレーム用のEBCDICからASCIIに変換できる。

 移行後の運用についてはユニリタエスアールが担う。同社は「AWS」や「Microsoft Azure」に加え、自社の独自クラウドサービス「SRクラウドパッケージ」を使ったシステム運用サービスを手掛ける。COBOLアプリケーションのクラウド移行や運用・保守に実績を持ち、ジョブ管理やプリンターの運用など「顧客企業が最も困る問題の解決に関するノウハウを備えている」(小池拓社長)。

 移行プロジェクトは大まかに、サンドボックス環境を使ったPoC(概念実証)、契約締結、アプリケーションの移行、システム環境の移行を経て、メインフレームからクラウドに切り替えて運用を始めるという手順を経る。アプリケーションとシステム環境それぞれの移行作業は、原則として顧客企業自身が日本TmaxSoftの技術支援を受けて実施する。日本TmaxSoftによれば、OpenFrame7を使えば既存システムに手を入れずにクラウド上へ移行できるため、「潤沢な情報システム部員を持たない企業でも、既存業務を動かしたまま自らクラウドへ移行できる」(日本TmaxSoftの羅鍾弼社長)。