「あなたにぴったりな夕食メニューを提案します。カルシウムが足りないので意識しましょう」。会社からの帰宅途中、スマホに健康アプリから通知が届く。カルシウムを摂取できる食材を使った献立や、コンビニで購入できるおすすめの商品の組み合わせが提案された。割引で購入できるアプリ専用のクーポンも使えるようだ。「健康のために購入してみるか……」。提案された夕食メニューを食べたことをアプリに記録すると、その食事で摂取できた栄養の振り返りや次の食事で気をつける内容のアドバイスが届いた――。
リアル店舗と連動する新しい健康サービスが2022年5月18日に始まった。サービスを手掛けるのは、AI(人工知能)を活用した健康アプリ「カロママ プラス」を手掛けるリンクアンドコミュニケーション(東京・千代田)である。カロママ プラスは利用者が入力した食事や睡眠、運動、体重、健康診断結果などの健康情報を基に、健康維持のための生活アドバイスを示すもので、今回、リアル店舗と連動する「パーソナル提案」機能を追加した。
同アプリでは、オリジナルキャラクターである「カロママ」が、「朝食は何を食べましたか?」「昨日はよく眠れましたか?」などと話しかけてくる。例えば利用者が食事の内容などを答えると、カロママが栄養バランスの評価や、次の食事内容などのアドバイスをすぐに返す。
食事については、利用者が具体的なメニューを入力したり、食べたものを撮影した画像をアップロードしたりすることで記録できる。入力内容や画像解析結果から自動で栄養成分を計算して示す仕組みだ。足りない栄養成分があれば、次の食事で摂取するように促され、おすすめの食材やメニューも合わせて提案してくれる。
食事や運動、睡眠に関して2億通り以上のアドバイスが用意されており、利用者は体重減少や健康維持、メタボ改善など自分に合ったコースを選択してアプリを利用する。利用開始時の状態にもよるが、「週4回以上アプリを利用し、100点満点の健康スコアで60点以上を目指して生活すると、2カ月ほどで2~3kg体重が減少すると分かっている」(リンクアンドコミュニケーション社長の渡辺敏成氏)。