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 NTTデータは2022年4月27日、VR(仮想現実)技術を活用した野球のバッティング練習システム「V-BALLER(ブイボーラー)」をアマチュア向けに提供開始した。VR空間で実投手の球種や球速を再現し、ユーザーはヘッドマウントディスプレー(HMD)やセンサーを装着してバッティングをするというものだ。

 体験した記者は、高校の授業で野球を習っただけの初心者だ。HMDを装着し、VR空間でバッターボックスに立った。マウンド上の投手が振りかぶって投げた。135キロのストレートが向かってくる。思い切りスイングしたが、ボールが体の横を高速ですり抜けていくのを感じた。その速さに感動した。

 V-BALLERは実試合でキャッチャー側から撮った投手の2次元映像からボールのみを消し、計測機器で取得した投球データからコンピューターグラフィックス(CG)で作成したボールをVR空間で組み合わせて、実際の投球を再現する仕組みだ。

VR空間での投球画像
VR空間での投球画像
(出所:NTTデータ)
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 ユーザーはバットと腰にセンサーを装着し、VRを視聴する。HMDにもセンサーがついている。向かってくるボールに向かってバットを振ると、これらのセンサーがバッティングフォームを検知する。投球の映像とともに、ユーザーのフォームから推測できる打球の軌跡も表示する。スイングのタイミングや、頭や腰、バットの軌跡をグラフでも確認できる。

バッティング中の頭、腰、バットの動きなどを可視化したグラフ
バッティング中の頭、腰、バットの動きなどを可視化したグラフ
(出所:NTTデータ)
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VR空間での練習で約2倍のパフォーマンス向上

 NTTデータが想定する用途は2つある。

 1つめは野球練習用だ。2017年に東北楽天ゴールデンイーグルスに提供したのを皮切りに、国内外のプロチームにV-BALLERを提供してきたが、アマチュアチームにもサービスを拡大することにした。アカウント数に応じた月額サブスクリプションモデルで提供する。

 「V-BALLERは現状、打撃力を測る明確な基準や標準が設定できないという課題の解決につながる」と同社SDDX事業部サービスデザイン統括部デジタルエクスペリエンス担当の荒智子課長は話す。打者のパフォーマンスをデータ化することで、選手や指導者、スカウトともにメリットを得られるという。