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 医療システム開発のインテグリティ・ヘルスケア(東京・中央)が臨床試験支援事業を始める。2022年2月に設立した子会社のDCT Japan(東京・中央)を通じて、臨床試験の中でもウエアラブル機器やオンライン診療を活用する「分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trials、DCT)」の支援に取り組む。

 従来の臨床試験は、被験者が定期的に医療機関を受診する必要があった。それに対してDCTはリモート治験などとも呼ばれ、被験者が自宅などに居たままで進められるメリットがある。新型コロナウイルス禍などの社会的背景も影響し、近年世界的に注目を集めている臨床試験形態だ。

被験者のリクルートやコンサルティングを提供

 インテグリティ・ヘルスケアは従来、疾患管理システム「YaDoc(ヤードック)」をはじめとするITソリューションを展開してきた。YaDocはもともとオンライン診療システムとして開発され、ビデオ通話やテキストメッセージによる医師とのコミュニケーション機能の他、疾患ごとに作られた問診や、ウエアラブル機器と連携したデータ収集・管理など様々な機能がある。

疾患管理システム「YaDoc」の画面例
疾患管理システム「YaDoc」の画面例
インテグリティ・ヘルスケアはYaDocをはじめとする医療システムを開発・提供する。(出所:インテグリティ・ヘルスケア)
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 YaDocは製薬企業や医療機関向けのサービスとして提供されており、実際の臨床現場だけでなく臨床試験でも活用されてきた。ここで培ったノウハウを生かし、DCT JapanではITソリューションの提供にとどまらない臨床試験の支援に乗り出す。具体的にはITソリューションに加え、DCT被験者のリクルートやDCT導入に際してのコンサルティングなどのサービスを提供する。

インテグリティ・ヘルスケアのオンライン診療システムの利用イメージ
インテグリティ・ヘルスケアのオンライン診療システムの利用イメージ
新会社ではオンライン診療などを組み合わせたリモート治験を支援する。(出所:インテグリティ・ヘルスケア)
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 また、地域ヘルスケア連携基盤(東京・中央)のグループ企業であるCHCPホームナーシング(東京・中央)との業務提携により、DCT中の訪問看護も手掛ける。インテグリティ・ヘルスケア会長の武藤真祐氏は、DCT Japanの社長と地域ヘルスケア連携基盤の会長も務めている。

 武藤氏は「グローバルで事業展開する大手臨床試験支援会社のようになるのは大変だが、我々の強みは何でも屋で小回りが利くこと。プラットフォーマーというよりは、現場のニーズに対応しつつステークホルダーをつなぐハブのような存在になりたい」と将来像を語る。