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地元のトップ企業と提携

 さて、本題の太陽光発電システムの販売事業だが、イケアの顧客が誰でも無料で参加できる「イケア・ファミリー」と呼ばれるプログラムのメンバーが、サンパワーから住宅用太陽光発電システム、さらにエネルギー貯蔵システムが購入できる。

 イケアがサンパワーと米国で繰り広げるこのソーラー・ソリューション・プログラムは、「ホームソーラー・ウィズ・イケア(Home Solar with IKEA)」と呼ばれ、今年秋より、カリフォルニア州の一部で、イケア・ファミリーのメンバーに提供される。その後、段階的に全国展開が計画されている。

 イケアの米国におけるパートナーとなるサンパワーは、元々世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト(IBC)技術による結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)・太陽光パネルの製造・販売で知られる世界的な太陽電池メーカーであった。かつては日本の三洋電機(現パナソニック)、韓国LG電子とともに「高効率のプレミアム太陽光パネル」として評価され、住宅用太陽光市場で競っていた。

 サンパワーは、2019年11月に、(1)北米に特化したエネルギーサービス提供会社であるサンパワーと、(2)世界屈指の先進技術で太陽電池を開発するマキシオン・ソーラー・テクノロジー(Maxeon Solar Technologies=以下マキシオン)という、それぞれの太陽光関連分野に特化した2つの専業会社に分かれると発表した。サンパワーから、太陽電池開発と生産を担うマキシオンが、スピンオフ(分離独立)することになった。従って、分社して以降、サンパワー自体は、太陽電池メーカーではなく、サービスプロバイダー専業に移行した。

 サンパワーは、住宅用のほか、商業・産業用を含む非住宅用、さらにメガソーラーの市場でもサービスを提供してきた。しかし、昨年10月同社は、住宅用太陽光発電市場での事業規模を倍増させることを目指し、同市場に専念する体制に再編していると語った。具体的に、同社は住宅用ソーラープロバイダーである米ブルーレイベン(BlueRaven)を買収すると同時に、商業および産業事業の売却に取り掛かった。

 将来的に、サンパワーは消費者の求めるエネルギーソリューションの「ワンストップショップ」になることを目標としている。 太陽光発電システムの設置時に1回限りの顧客関係を持つだけではなく、エネルギー貯蔵、電気自動車(EV)の充電機能、およびエネルギー管理システム(EMS)を含む多数のデジタル製品を追加して、顧客との長い関係を築こうとしている。

 イケアは、既に11カ国で住宅太陽光システムを提供しているが、ビジネスモデルは、各国(地域)の市場で、トップサプライヤー、そしてサービスプロバイダーと提携し、ターンキーソリューションを提供している。こうした事業モデルは、サンパワーのワンストップショップと同じ方向性であり、両社の組み合わせは相性が良く、住宅市場の拡大が期待できるかもしれない。