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 政府は2022年6月7日、改定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画(以下、重点計画)」を閣議決定した。前回の策定から半年で浮かび上がったのが、デジタル改革に向けた中央省庁の体制の課題である。そこで今回は、デジタル庁を始めとした「霞が関」のデジタル改革体制強化などを新たに盛り込んだ。

 重点計画はデジタル社会形成基本法に基づいて、デジタル社会を形成するためにデジタル庁が司令塔となり各府省庁で重点的に実施する施策をまとめたうえで、今後5年間の工程表を示したものである。今回で3回目の策定となる。前回は2021年12月24日に策定された。今回は同日に閣議決定された経済財政運営の指針「骨太の方針」などと足並みをそろえ、今後もこの時期に改定する。

 デジタル、規制、行政を一体的に改革する政府の「デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調、会長:岸田文雄首相)」が2022年6月3日の第4回会合で取りまとめた、いわゆる「アナログ規制」の一括見直しプランや政府のデジタル田園都市国家構想実現に向けた施策も前回より具体化して盛り込んだ。

「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の今後の推進体制について、今回新たに②の「デジタル改革の推進体制(政府の推進体制を強化)」の項目を盛り込んだ
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の今後の推進体制について、今回新たに②の「デジタル改革の推進体制(政府の推進体制を強化)」の項目を盛り込んだ
(出所:デジタル庁)
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各府省庁のPMO・PJMO体制を充実へ

 今回の改定では今後の推進体制として、政府のデジタル改革推進体制強化を新たに盛り込んだ。具体的には、各府省庁でのPMO/PJMO(プロジェクトマネジメントオフィス)体制の充実、PMOの予算などの権限強化などを進めるほか、デジタル庁の人員も増強する。

 デジタル改革を進めるにあたり、前回の重点計画策定からこの半年で見えてきた課題として、「デジタル改革は制度・業務・システムを三位一体で進める必要があるが、各府省庁のシステム部門はいち部門であり、全体を見きれているわけではない」(デジタル庁幹部)との問題意識が政府内で出てきたという。こうした背景を受けて、PMOやPJMOの体制強化などを通じて各府省庁で進める政策と情報システム、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を一体的に進めることができるようにする。

 国内外の情勢や技術動向の変化を捉えて調査や政策立案に当たるために、デジタル庁の人員増強も必要と判断した。例えば今回の重点計画改定では新たにブロックチェーン技術を用いたデジタル資産の調査研究や課題整備なども盛り込んだ。こうした技術動向を捉えた新たな追加業務に対応できるようにする。