全983文字

 「ナノイー技術が髪、髪の水分量および髪の保護に与える影響に関する複数の広告表示が不正確であって消費者に誤解を与えるものであり、故に公正な競争を阻害する」──。ダイソンが2022年6月9日、パナソニックのヘアドライヤー「EH-NA0G」の広告が不正競争防止法に違反するとして東京地方裁判所に提訴した。

パナソニックのヘアドライヤー「EH-NA0G」
[画像のクリックで拡大表示]
パナソニックのヘアドライヤー「EH-NA0G」
(写真:パナソニック)

 パナソニックに対し、今後そうした広告表示をしないように差し止め、および広告表示の抹消を請求する。金銭的な請求はしていない。

ダイソンがパナソニックを不正競争防止法に違反するとして提訴
[画像のクリックで拡大表示]
ダイソンがパナソニックを不正競争防止法に違反するとして提訴
(出所:ダイソンのリリースを基に日経クロステックが作成)

 パナソニックのナノイーは、OHラジカルを水で包んだ状態の直径5n~20nmの帯電微粒子水で、同社は「水に包まれた微粒子イオン」と呼ぶ。マイナスの電荷を帯びた酸素に空気中の水分が融合した、いわゆる「空気イオン(マイナスイオン)」と比べて、水に包まれている分、寿命が約6倍と長い。そのため、発生したナノイーは広範囲に届くと同社は説明している。

 霧化電極をペルチェ素子で冷却し、同電極の先端に空気中の水分を結露させる。ここで同電極と対向電極の間に負の高電圧をかけると、ナノイーが発生する仕組みだ。2016年には、OHラジカルの発生量が10倍の「ナノイーX」も開発している。