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 国立国会図書館は蔵書のデジタル化によるDX(デジタル変革)を進めている。デジタル化したした蔵書の保存や管理のためのシステム基盤の刷新にも動いており、2022年12月にも移行を完了する見込みだ。

 基盤刷新に当たり重視したのは、アプリケーションの実行環境をベンダーに頼らず自分たちで柔軟に追加できることだ。実現のため同館は仮想化技術のハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)を採用した。

ネット経由で館外から蔵書にアクセス

 蔵書のデジタル化には主に2つの狙いがある。1つは蔵書を検索・閲覧できるサービス「国立国会図書館デジタルコレクション(デジタルコレクション)」への活用だ。紙の蔵書をデジタル化できれば、インターネット経由で館外からも気軽にアクセスできる。もう1つは貴重な資料の長期保管だ。国立国会図書館の蔵書には、江戸時代の木活字版資料や浮世絵などの貴重な資料も含まれている。デジタル化しておけばこうした紙の資料に万一のことがあってもデータは残る。2022年5月時点で281万点の蔵書をデジタル化しており、うち57万点はインターネット経由で閲覧できる。

「国立国会図書館デジタルコレクション」のWebサイト
「国立国会図書館デジタルコレクション」のWebサイト
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 デジタルコレクションへの活用と長期保管――。これら2つの目的を果たすため、新基板ではデジタル化した蔵書のデータを2カ所に保管する。クラウドストレージと、東京・千代田区の国立国会図書館敷地内のサーバールームに設置したオンプレミスのストレージである。クラウドストレージはデジタルコレクションでのデータ公開用に、オンプレミスストレージはデータの長期保管用に使う。

Nutanix Cloud Platformの導入イメージ
Nutanix Cloud Platformの導入イメージ
(出所:ニュータニックス・ジャパン)
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 だが既存のインフラには課題があった。仮想マシンを動かすためのサーバーやストレージはホスティングを利用しており、必要に応じて都度リソースを追加する必要がある。追加分には別途契約が必要な場合もあり、リソースや契約の管理が複雑になる。機能の追加など新たな取り組みをしたくても、気軽にその実行環境を追加できなかった。国立国会図書館の川島隆徳電子情報部電子情報企画課資料デジタル化推進室資料デジタル化推進係長は「(インフラを効率的に管理する上で)運用・保守まで含めベンダーに一括で委託する形式では限界があった」と振り返る。