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 クリニックの銀座有楽町内科(東京・中央)が、血糖値の変動(血糖変動)の常時モニタリングと健康管理アプリを用いた血糖値改善プログラムの開発を進めている。生活習慣の改善と糖尿病の予防を目的としており、患者ではなく糖尿病予備軍など治療を受けていない人が対象になる。IoT(Internet of Things)医療機器と健康管理アプリを組み合わせた、医療機関による新たな予防への取り組みといえそうだ。

(左から)健康管理アプリと持続グルコースモニタリング(CGM)センサー。健康管理アプリには血糖変動(折れ線グラフ)や食事のタイミング、食事内容、歩数(棒グラフ)などを記録できる
(左から)健康管理アプリと持続グルコースモニタリング(CGM)センサー。健康管理アプリには血糖変動(折れ線グラフ)や食事のタイミング、食事内容、歩数(棒グラフ)などを記録できる
(撮影:日経クロステック)
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 開発中のプログラム「とうサポ」は、血糖変動を常時モニタリングできるアボットジャパン(東京・港)の持続グルコースモニタリング(CGM)センサー「FreeStyleリブレ」と、デジタルヘルスベンチャーのH2が手掛ける健康管理アプリ「シンクヘルス」を用いる。リブレは保険適用された高度管理医療機器で、糖尿病治療を受ける患者が保険診療下で利用するケースが多い。一方、今回の改善プログラムでは患者はプログラム対象外としており、銀座有楽町内科が実施する自由診療としてリブレを利用する。

 リブレは厚さ5mm、直径35mmの円板状センサーだ。上腕に装着すると、表皮の近傍にある間質液中のグルコース値を2週間にわたり毎分測定し、15分ごとにデータを保存する。装着したまま入浴することも可能だ。利用者が専用のアプリをダウンロードしたスマートフォンをセンサーにかざすと、グルコース値の確認と記録ができる。

 これまで血糖値を測定するには、指先から少量の血液を採取し小型の医療機器で測る必要があった。グルコース値は血糖値と相関することが分かっているため、リブレのようなCGMセンサーを使うことで体への負担を減らして血糖変動を把握できる。

 血液採取の方法では、測定したタイミングの血糖値しか把握できなかったが、CGMセンサーを使うと血糖変動を常時モニタリングできる。食後に血糖値が急激に上昇して降下する「血糖値スパイク」を繰り返すと、血管が傷ついて動脈硬化が進むため、脳卒中や心筋梗塞につながるリスクが増すと指摘されている。一般的な健康診断や人間ドックでは食後の血糖値を継続的に測定するのは難しいため、血糖値スパイクが見逃されやすい。

 CGMセンサーを活用することで食後の血糖値を継続的に把握できるため、上昇した血糖値が平常値に戻るのにどれくらい時間がかかるかなど血糖変動の様子が分かる。利用者自身が血糖値スパイクの有無などを認識できると期待されている。