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 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)は2022年6月に、昼間のサイクリスト(自転車運転者:以下、自転車)を対象にした自動ブレーキの性能試験を開始した。信号がなく見通しの悪い交差点や走行車線に止まっている車両の陰などから自転車が飛び出すといったシーンを想定し、自転車との衝突回避性能を調べるものである。試験結果を公表することで、高止まりしている車両と自転車の衝突事故件数の削減を目指す。

 国交省とNASVAが行っている日本の自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価では既に、昼間の車両と、昼間と夜間の歩行者を対象にした自動ブレーキの性能試験が導入されている。これらの試験では、各社の自動ブレーキの性能差は縮まっている。自転車を対象にした自動ブレーキの性能試験は2022年度に追加され、2022年6月に始まった。自転車対応は今後、各社の自動ブレーキ性能の新たな競争軸になる。

試験シナリオは3つ

 自転車対応の自動ブレーキ試験は、3つのシナリオで行う。具体的には(1)CBL(Car to Bicyclist Longitudinal)試験、(2)CBF(Car to Bicyclist Farside)試験、(3)CBNO (Car to Bicyclist Nearside Obstructed)試験である。いずれの試験でも、より速い車速で自転車との衝突を回避できると高得点が得られる。

 第1のCBL試験では、試験車両の前方を自転車が走行する。試験車両の車速は40km~60km/h、自転車の速度は15km/hとする。試験車両の速度を10km/hずつ上げて、自転車との衝突を回避できるかどうかを調べる(図1)。

CBL試験のシナリオ
図1 CBL試験のシナリオ
(画像:NASVA)
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 第2のCBF試験では、試験車両が直線路を走り、対向車線側から15km/hの速度で自転車が飛び出す。自転車の加速区間には、遮蔽壁を設ける。試験車両の速度は10km~60km/hとし、5km/hまたは10km/hずつ車速を上げて、自転車との衝突回避性能を調べる(図2)。

CBF試験のシナリオ
図2 CBF試験のシナリオ
(画像:NASVA)
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