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 あいおいニッセイ同和損害保険は2022年6月30日、同社が蓄積する自動車走行データを基にしたデータ分析サービスの提供を始める。地方自治体などは急ブレーキなどの危険な挙動が発生しやすい場所だけでなく、時間帯や年代などを分析できるようになる。新機能の開発に当たっては、デジタル化支援を手掛けるスタートアップであるLayerXのプライバシー保護技術を活用した。

より適した交通安全対策を打てるように

 新しいデータ分析サービスは、あいおいニッセイ同和損保が提供する、急ブレーキなどの危険な運転挙動の発生地点を地図データ上にマッピングした「交通安全マップ」の新機能として提供する。新たに、危険な運転挙動の発生時間や運転者の属性などを分析できるようにした。

 具体的には、平日や休日、「午前0時から午前6時まで」といった日時、性別や年代ごとに危険挙動を絞り込める。サービスを使う自治体や警察などは情報を絞り込むことで、平日の通勤時間帯や週末に家族やレジャー客でにぎわう時間帯などの状況に適した危険挙動の傾向を分析できるようになる。これにより、運転の危険挙動が起こりやすい日時に適した交通安全対策を打てる。

 分析の基データは、あいおいニッセイ同和損保が提供する「テレマティクス自動車保険」を通じて蓄積した地球約138万周分(2022年3月末時点)の自動車走行データである。テレマティクス自動車保険とは、ドライブレコーダーをはじめとする機器で運転データなどを収集し、運転者の運転特性に応じて保険料を変える保険商品である。

 同社は蓄積した運転データを活用して、2022年4月から交通安全マップを提供している。併せて、同マップを分析し、最適な交通安全対策メニューを提案する「交通安全EBPM支援サービス」も提供中だ。

 データ活用の新ビジネスの道を開いた交通安全マップだが課題もあった。一定距離の区画である「メッシュ」ごとに危険挙動発生率の高低しか可視化できなかった点だ。

 仮に、同社が保有するデータをそのまま活用し、時間帯や属性などの詳細な条件で分析した場合、「車通りの少ない深夜に発生した事故などはサンプルが数人しかないため、人が特定できる可能性が高いと言える」(あいおいニッセイ同和損害保険の山田武史経営企画部データソリューション室担当次長)。

 そこで、個人を特定・識別できないようにしたうえで詳細に分析できるようにするため、同社はLayerXが開発するプライバシー保護技術群の「Anonify(アノ二ファイ)」を活用することにした。両社は2021年から、自動車走行データにAnonifyを適用する技術検証に取り組んでいた。

時間帯や属性による分析が可能に
時間帯や属性による分析が可能に
(出所:あいおいニッセイ同和損害保険)
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