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 「Jetsonが手に入らず仕事ができない」――。ある大手メーカーの技術者は、こう嘆く。「Jetson」(ジェットソン)は、米NVIDIA(エヌビディア)のAI処理用コンピューターモジュール。その品薄が、研究開発の現場に深刻な影響を及ぼしている。

 Jetsonは、主にAI処理を担うエッジデバイス向けの製品で、研究開発から量産品に至るまで幅広く利用できる。ラインアップも広く、価格が59~1999米ドルの製品10種類以上を用意している。ところが、半導体や電子部品の逼迫のためか、非常に品薄になっている。「なかなか売っていないし、売っていたとしても価格が高い。仕事に影響が出ていて困っている」(前出の技術者)。

 2022年6月下旬に日経クロステックが調べたところ、公式サイトを通じてアクセスできる販売代理店でほとんどのJetson製品が売り切れていた。こうした販売代理店以外では在庫があるものの、公式サイトの数倍の価格で売られていた。

Jetson Nano Developer Kit
Jetson Nano Developer Kit
(写真:NVIDIA)
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