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 自動車の駆動系部品を手掛けるユニバンスが、電動車両の駆動システムである電動アクスル「DMM Axle(Dual Motor Multi Driving Mode e-Axle)」の開発に注力している(図1)。最大の特徴は、2基のモーターと2段変速機構を搭載することで、4種類の走行モードに対応した点だ。これにより、電力消費率(電費)を向上させられる。2025~2026年の量産を目指す。

図1 「DMM Axle」の展示品
図1 「DMM Axle」の展示品
展示品は、モーターとインバーターを搭載していない。(写真:日経クロステック)
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 電動アクスルは電動車両の基幹部品で、モーターとインバーター、ギアボックス(減速機と差動歯車装置)を一体化した電動駆動システム。ユニバンスはもともと、電動トラックやバス向けにギアボックスを手掛ける。今回の電動アクスルでは、ギアボックスは内製品を使い、モーターとインバーターは外部から調達する方針だ。

 300~1000kWと10~50kWの2つの出力帯の製品を用意する。前者はスーパーカーや大型トラック、後者は配送用の小型トラックや小型のコミューターなどへの搭載を想定する。中国市場や商用の電気自動車(EV)などを手掛ける新興などを中心に提案を進める。

2モーター・2速で高効率領域を拡大

 ユニバンスの開発品は、モーターとインバーターのユニットを、ローギアとハイギアの両側に左右対称に1つずつ配置する(図2)。3軸構成で、第1軸は左側のモーターがローギアに、右側のモーターがハイギアに接続する(図3)。両者をドグクラッチで直結することで、駆動力が必要なシーンで出力を高められる。第2軸に搭載されるワンウェイクラッチは、変速をより滑らかにする役割を担う。

図2 ユニバンスの電動アクスルのイメージ
図2 ユニバンスの電動アクスルのイメージ
モーターとインバーターのユニットを左右対称に配置することで、薄型にできるとする。(出所:ユニバンスの資料を基に日経クロステックが作成)
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図3 ユニバンスの電動アクスルの模式図
図3 ユニバンスの電動アクスルの模式図
(出所:ユニバンスの資料を日経クロステックが撮影)
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 電動アクスルは、車両への搭載性から小型化への要求が強く、従来品はモーターを1基だけ組み込むものが一般的だ。ただ、高い効率で走行できる領域が限られる(図4)。ユニバンスによると、特に低速域と高速域での高効率を両立するのが難しいという。

図4 電動アクスルにおける高効率で走行できる領域の比較
図4 電動アクスルにおける高効率で走行できる領域の比較
青色が濃いほど高い効率で走行できることを表す。ユニバンスの開発品は、従来品より高効率で走行できる領域が広い。(出所:ユニバンスの資料を基に日経クロステックが作成)
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