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 カインズやワークマン、ベイシアらを束ねるベイシアグループが、グループのデジタル戦略を担う新会社を設立したことが日経クロステックの取材で2022年7月22日までに分かった。

 新会社はグループ共通システムの開発機能に加え、AI(人工知能)などの先端技術を使ったサービスをグループ各社に提供する役割を担う。ベイシアグループは新会社の設立により、かねて力を注ぐグループ横断DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速する狙いだ。

カインズやワークマン、ベイシアなどを束ねるベイシアグループは、 ITエンジニアを集めた新会社でグループ横断のDXを加速する
カインズやワークマン、ベイシアなどを束ねるベイシアグループは、 ITエンジニアを集めた新会社でグループ横断のDXを加速する
写真:村田 和聡(左)、日経クロステック(上、右)
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独立させてグループでの役割を明確化

 7月11日付で、新会社ベイシアグループソリューションズを設立した。ベイシアグループにはこれまで、グループ共通のIT組織として「ベイシア流通技術研究所(以下、流技研)」があった。グループ各社の人事や会計などバックオフィス業務の支援システムを提供したり、店舗のネットワークやパソコンの配備などインフラ面を支援したりする、いわゆるグループの情報システム部門のような存在である。

 ただ流技研は中核事業会社である食品スーパー、ベイシアの一部門になる。そこで今回、グループ共通のIT・デジタル戦略組織としての役割をより明確化するため、流技研の機能を新会社として独立させた。新会社には流技研のメンバーのほか、AIエンジニアなどが所属するベイシアグループ総研のIT部隊も合流する。

新会社にはベイシア流通技術研究所のメンバーとベイシアグループ総研のIT部隊が合流する
新会社にはベイシア流通技術研究所のメンバーとベイシアグループ総研のIT部隊が合流する
(出所:取材を基に日経クロステック作成)
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 新会社の立ち上げ時点のITエンジニアの数は約130人。今後、段階的に採用を進め、3年以内に200人体制とする計画だ。

 新会社の社長にはベイシアグループ総研の樋口正也執行役員ベイシアグループIT統括本部長が、会長職には創業家2代目でベイシアグループの実質的なトップであるカインズの土屋裕雅会長がそれぞれ就いた。さらに顧問として、元セブン&アイ・ホールディングス執行役員で、2022年6月に博報堂DYホールディングスの執行役員に就任した米谷修氏を招いた。

新会社の社長に就いた、ベイシアグループ総研の樋口正也執行役員ベイシアグループIT統括本部長
新会社の社長に就いた、ベイシアグループ総研の樋口正也執行役員ベイシアグループIT統括本部長
日本IBMでSCM(サプライチェーンマネジメント)やデジタルマーケティング、EC(電子商取引)などの事業責任者を務めた後、ネット企業のCDO(最高デジタル責任者)などを経て2021年にベイシアグループに参画。日本IBM時代にベイシアグループを担当していた(写真:村田 和聡)
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 新会社はエンジニア市場に合わせた給与水準を用意したほか、在宅勤務やフレックス勤務など、エンジニアが働きやすい人事制度を整え、優秀なITエンジニアの囲い込みにつなげる狙いだ。「既存(流技研)の人事制度は小売業に合わせてつくっているので、休暇数などの条件面でエンジニアを採用しづらい事情があった。別会社にするのはそこを解消する意味合いもある」(樋口社長)。

 既にGAFAや国内のメガベンチャー企業などからITエンジニアを採用しているという。