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顧客に受託品の生産情報を公開

 他にも、H1棟では全国の同社工場の設備と稼働状況をリアルタイムに連携し、把握する「バーチャルOne Factory」という構想の実現を目指す。バーチャルOne Factoryが実現すると、実際には別々の場所にある工場を、仮想空間で1つの工場としてオペレーションできるようになる。工場間で生産を柔軟に相互補完でき、変種変量生産への対応力が増す見通しだ。

 バーチャルOne Factoryに向けた試みは始まっている。今回は同社沼津工場(静岡県沼津市)の生産管理システムと品質マネジメントシステムを、本庄工場のシステムに統合した。その結果、沼津工場で生産していた消防指令システムやETCシステムなどの社会システム機器の生産を、本庄工場へスムーズに移管できたという。

 こうしたバーチャルOne Factory のノウハウは外部向けのサービスに生かしていく。OKI本庄工場は自社製品の生産だけでなく、他社製品の製造や設計開発(EMS/DMS)も担っている。今後、顧客がOKIに委託した製品の生産状況を、あたかも自社工場で造る製品のように確認可能にする構想だ。OKI専務執行役員デジタル責任者の坪井正志氏は「当社の工場がお客さんのバーチャルファクトリーになる」と語る。

 その一環として、顧客が委託した製品の情報をリアルタイムに確認できる「モノづくり情報共有システム」を開発し、H1棟に導入した。従来、顧客は電話やメールのやり取りで生産状況を確認していたが、新システムによりWebサイト経由で生産の進捗や支給する部品の在庫状況などを閲覧できるようになった。今後は共有する情報をトレーサビリティー、品質情報などにも拡大する計画だ。