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 Zホールディングス(HD)がスマートフォン決済サービス「PayPay」の収益化に乗り出す。カギは傘下の3大事業であるLINE、ヤフー、そしてPayPayの「三位一体」戦略。3事業のIDを2023年に連携・統合し、EC、金融、広告といった事業を段飛ばしに成長させる絵を描く。

 「決済市場で圧倒的な地位を確立して、PayPayはマネタイズ(収益化)のフェーズに移行している」。2022年8月3日、ZHDのCo-CEO(共同最高経営責任者)を務める川辺健太郎社長は決算発表の場でこう述べた。

 PayPayの累計登録者数は4865万人(2022年6月末時点)まで増え、2021年は決済取扱高が前年比75%増の4兆9000億円、決済回数が同81%増の32.4億回と、それぞれ国内QRコード決済市場の約3分の2を占めるまで成長したという。2018年10月のサービス開始からもうすぐ4年。川辺社長はPayPayのマネタイズが可能になったと改めて強調した。

マネタイズは3階建てで

 マネタイズに向けた一手が、ZHDによるPayPay社の連結子会社化だ。ZHDとソフトバンクは2022年7月27日、PayPayを2022年10月に連結子会社にすると発表した。

 ZHDとソフトバンクが折半出資して中間持ち株会社を新設し、そこにPayPay社をぶら下げる形で子会社にする。連結子会社化を通じてZHDグループとの連携を強化し、PayPay関連サービスの利用を広げて収益を得る考えだ。

 具体的には「3階建て」のマネタイズ戦略を描く。「現時点でも広告宣伝費などのユーザー獲得費用を除けば黒字化はできる。PayPayの連結子会社化によりZHDとの連携を強化し、2階建て、3階建てのマネタイズを一層強化する」(川辺社長)。

PayPayのマネタイズ戦略
PayPayのマネタイズ戦略
(出所:Zホールディングス)
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 1階部分は2021年に有料化した加盟店の決済手数料だ。各種事業の基盤として、収支はトントンの状況を維持するとみられる。

 収益化の柱となりそうなのが2階と3階だ。2階部分は加盟店向けの各種営業支援サービスから成る。顧客管理システム「PayPayマイストア」を拡販し、割引クーポンや来店回数に応じたスタンプなどの施策で加盟店の集客を支援する。

 3階部分にはPayPayブランドの金融サービスを位置付けた。クレジットカードやネット銀行、証券、損害保険などだ。

主要3サービスでID連携

 マネタイズに向けZHDは3つの分野でPayPayと自社グループサービスとの連携を進める。まずスマートフォン決済分野だ。既に「LINE Pay」とPayPayとの間で2022年7月、店頭に設置するQRコードを統一した。PayPay加盟店では2021年8月からLINE Payを利用できるようにしている。

 2つ目がポイント分野。PayPay社は「PayPayポイント」を2022年10月以降にPayPay以外に開放すると表明済み。既にLINEポイントからPayPayポイントへ交換可能にしている。