全2620文字

 インターネットを使ったデータのやり取りの信頼性を高める――。政府は2022年7月25日、次世代インターネットインフラである「Trusted Web」のアーキテクチャーを公開した。プロトタイプとユースケースの検証を経て、実装に必要な6つの構成要素を整理。今後は民間企業での利用シーンの検証を進め、実装に向けて技術者コミュニティーや事業者などと議論を進める。

6つの構成要素を提案

 Trusted Webとはデータのやり取りなどで必要な信頼の仕組みをあらかじめ埋め込んだ、次世代のインターネットインフラである。インターネットを使ってデータのやり取りなどをする際に、利用者が自身のデータをコントロールできたり、データの検証をしやすくしたりすることで、インターネットを使ったデータ流通をスムーズにする。

 現状のインターネットは、信頼性のあるデータのやり取りに必要な利用者のID管理やデータ管理を、プラットフォームサービスを提供する一部の巨大IT企業に過度に依存している。また、やり取りしているデータの信頼性確保も十分になされていない。

 内閣官房デジタル市場競争本部の有識者会議「Trusted Web推進協議会」ではこうした課題解消に向けたインターネットインフラを「Trusted Web」と名付け、2030年のインターネット全体での実装に向けて検討を進めてきた。

 同協議会は2022年7月25日に公表した「Trusted Web ホワイトペーパーVer2.0(案)」で、Trusted Webを実現するために必要な構成要素として「検証可能なデータ」「アイデンティティー」「ノード」「メッセージ」「トランザクション」「トランスポート」の6点を挙げた。

 例えば「検証可能なデータ」では、データに対してデジタル署名などを用い、データを検証できる仕組みを実装する。ただ、例えばそれぞれの署名のたびにその「署名の意図」をデータとしてどのように示すかなど、実装に向けた課題は多い。

 Trusted Webは現状のインターネットを代替するものではなく、データの信頼性確保などに向けて機能を追加していくものである。そこで同協議会はTrusted Web実現に向けて、インターネットに重ね合わせて実装するための道筋を示した。

現状のインターネットの仕組みにかぶせて、Trusted Webを実装する
現状のインターネットの仕組みにかぶせて、Trusted Webを実装する
出所:内閣官房デジタル市場競争本部「Trusted Web推進協議会」
[画像のクリックで拡大表示]