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 ドイツBosch(ボッシュ)は、2023年に量産開始予定の次世代の横滑り防止装置(ESC)で、車両制御のためのさまざまなアクチュエーターを統合制御できるソフトウエア「ビークルダイナミクスコントロール2.0」への対応を進める(図1)。ビークルダイナミクスコントロール2.0では、ステアリングとブレーキを協調制御することで、「まるでレールの上を走るようなコーナリング」(ボッシュ日本法人)や「滑りやすい路面での制動距離の短縮」(同)を実現できるという。

図1 ボッシュの次世代ESC
図1 ボッシュの次世代ESC
2023年に量産開始予定のもの。(写真:日経クロステック)
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 ボッシュ日本法人でシャシーシステムコントロール事業部ブレーキシステム開発統括システム&ファンクション技術部ゼネラル・マネージャーを務める近藤浩也氏によれば、従来のESCに搭載していた「ビークルダイナミクスコントロール」では、運転中に安定性を損なうようなシーンにおいて、ブレーキシステムとしてサポートするのが主な機能だった(図2)。ビークルダイナミクスコントロール2.0は、将来に向けて車両の運動性能を全般的に上げていこうという中で、これまでの安定性に加えて、車両の俊敏性(アジリティー)を高めたり、運転者や同乗者に不安を与えない快適性(コンフォート)を付与したりすることを狙っている。

図2 ボッシュ日本法人の近藤浩也氏
図2 ボッシュ日本法人の近藤浩也氏
同社でシャシーシステムコントロール事業部ブレーキシステム開発統括システム&ファンクション技術部ゼネラル・マネージャーを務める。(写真:日経クロステック)
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 制御の視点から見た違いは、車両の挙動に変化が出る前に先手を打つことである。従来のビークルダイナミクスコントロールでは、車両の挙動の変化を捉え、それを補正するようにフィードバック制御をかけ、車両の挙動を安定させることが基本コンセプトだった。これに対してビークルダイナミクスコントロール2.0では、フィードフォワード制御を取り入れることで、車両の挙動に変化が出る前から車両を動かすことを積極的にサポートする。安定性に加えて、俊敏性や快適性を向上できる。

 ここで言う「車両を動かすことを積極的にサポートする」とは、例えば、「車両がそろそろ限界を迎えそうな場面において、運転者の曲がりたいという意志に対して、制御を入れることで車両が思い通りに曲がれるように支援する」(近藤氏)といったイメージだ。フィードバックによる修正のための制御を入れる前に、先回りして制御する。