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 国内IT大手4社の2022年4~6月期の連結決算(国際会計基準)が2022年8月5日出そろった。NTTデータを除く3社が減益となり、NECは四半期ベースで2年ぶりの赤字になった。半導体不足が業績の足かせになっており、正常化まではまだしばらく時間がかかりそうだ。

国内IT大手4社の2022年4~6月期連結決算(国際会計基準)
NECは調整後営業損益、NTTデータは売上高、日立は調整後EBITA(出所:各社のIR資料を基に日経クロステック作成)
企業名事業分野売上収益(前年同期比増減率)営業利益(前年同期比増減率)
NEC6596億6900万円(1.2%)▲69億8400万円(-)
NTTデータ6773億6800万円(14.6%)575億2200万円(21.7%)
日立製作所2兆5698億1600万円(8.5%)1548億7600万円(▲3.9%)
内訳)デジタルシステム&サービス5053億8300万円(14%)493億5500万円(11%)
富士通8188億6200万円(2.1%)256億200万円(▲24.1%)
内訳)テクノロジーソリューション6822億円(▲0.7%)22億円(▲86.5%)

 「IAサーバーや5G(第5世代移動通信システム)基地局などのネットワーク機器を中心に前年度下期並みの影響が続いている。当初から今年(2022年)の年末ごろまでは厳しい状況が続くとみており、その状況は変わっていない」。富士通でCFO(最高財務責任者)を務める磯部武司取締役執行役員は、半導体など部材供給遅延の影響についてこう明かす。

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 同社の売上収益(売上高に相当)は前年同期比2.1%増の8188億6200万円、営業利益は同24.1%減の256億200万円だった。半導体製造機などを手掛ける「デバイスソリューション」事業が好調で増収となった一方、世界的な半導体不足に起因する部材供給遅延の影響により、大幅な減益となった。

 本業の「テクノロジーソリューション」については、売上収益が同0.7%減の6822億円、営業利益が同86.5%減の22億円だった。幅広い業種・マーケットで受注を伸ばしたが、部材供給遅延によって売上収益で278億円、営業利益で127億円のマイナス影響が出た。

日立は自動車と家電が苦戦

 富士通同様、日立製作所も半導体不足などの影響を色濃く受けた。同社の売上収益は前年同期比8.5%増の2兆5698億1600万円、調整後EBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)は同3.9%減の1548億7600万円だった。IT関連は好調だったものの、半導体不足や部材価格の高騰、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受け、自動車と家電が苦戦した。

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 セグメント別にみると、デジタルシステム&サービスの売上収益は前年同期比14%増の5053億8300万円、調整後EBITAは同11%増の493億5500万円だった。2021年7月に約1兆円で買収した米IT企業GlobalLogic(グローバルロジック)の売上収益が前年同期比で47%伸び、同セグメントの業績をけん引した。

 半導体不足については、全体で400億円規模の減収要因になり、その大半が自動車部品子会社の日立Astemoによるものという。デジタルシステム&サービスでは半導体不足によりATMの出荷が減るなどしたが、影響は限定的だった。