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 SCSKが、自動車に搭載する組み込みソフトウエアのビジネスを強化している。2022年7月20日、車載システムのOSやミドルウエアに相当する基盤ソフト「QINeS BSW(クインズ ビーエスダブリュー)」の海外販売で、ベトナムIT大手のFPT Software(FPTソフトウエア)との業務提携を発表した。

 OEM(相手先ブランドでの生産)契約に基づいて、FPTソフトウエアにQINeS BSWを提供する。FPTソフトウエアは日本以外の国と地域で、QINeS BSWを応用した車載システムの開発支援サービスを展開する。

 自動車の電子化が急速に進むなか、ソフトを効率よく開発したいという自動車メーカーや大手部品メーカーの需要が高まっている。SCSKは海外自動車メーカーなどへの実績が豊富なFPTソフトウエアと組むことで最新の要望をいち早く取り込み、基盤ソフトの機能強化を急ぐ。

車載システム向けのOS・ミドルウエアを展開

 SCSKは、前身のCSKの時代である1980年代から車載システムの開発に携わる。自動車メーカーや部品メーカーからの受託開発などで培ったノウハウを生かしてQINeS BSWを開発し、2015年に日本での販売を始めた。

 QINeS BSWは、車載システムの標準仕様である「AUTOSAR」に準拠する基盤ソフト。車載システムのOSやミドルウエアに相当し、モーターやアクチュエーターといった車載部品を制御する電子制御ユニット(ECU)のマイコンに組み込んで使用する。SCSKの加藤哲也モビリティ事業グループモビリティシステム第一事業本部QINeSサービスセンター部副部長は「競合製品よりも応答が速く、低消費電力で動作する」と特徴を説明する。

SCSKが提供する車載システムの基盤ソフトウエア「QINeS BSW」の主な構成要素。高速に動作するリアルタイムOSや通信スタックなどのミドルウエア、各種のデバイスドライバーなどで構成される
SCSKが提供する車載システムの基盤ソフトウエア「QINeS BSW」の主な構成要素。高速に動作するリアルタイムOSや通信スタックなどのミドルウエア、各種のデバイスドライバーなどで構成される
(出所:SCSK)
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 SCSKは自動車メーカーや部品メーカー向けに、QINeS BSW上で動作する車載部品の制御ソフトを含めた車載システムの開発支援サービスも手掛ける。具体的な導入先は明らかにしないが、「電動ドアや電動ミラーなどのモーター制御や電気自動車(EV)のバッテリー制御、室内灯の制御などで多くの採用実績がある」(加藤副部長)という。