バイデン大統領が署名
8月16日、米バイデン大統領は連邦議会が可決した「インフレ抑制法案(Inflation Reduction Act: IRA)」に署名した。「米史上最大の気候変動対策」と呼ばれるこの法律は、2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年に比べて40%削減を目指し、今後10年間で、再生可能エネルギーのインフラ改善、クリーンエネルギー設備、電気自動車の導入を促進するために約3600億ドルもの予算が割り当てられている(図1)。
前回でも述べたが、IRA成立により、ITCと呼ばれる再エネ設備投資への税額控除が10年間という長期間で延長されることになった。ITCは、連邦政府による税制優遇措置で、太陽光発電システムを含む、再生可能エネルギーの設備投資に適用される。太陽光発電設備の購入者であるホームオーナー、ビジネスオーナー、さらに発電事業者が、設備導入にかかった投資額の一定割合を税金の支払いから控除できる。つまり、この優遇措置により、納税義務者が支払うべき税金を削減できることになる 関連記事 。
2022年時点で控除率は26%であるが、今回のIRA は、既存のITCを拡張および強化し、2022 年の初めから2032 年末までに発生した設備投資費用は、26%ではなく、30% の税額控除の対象となる。