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 「成年後見制度を活用する際は必ず銀行に届け出がきて、手続きの対応をする。しかしその後、我々にできることがなかった」。三井住友銀行(SMBC)ライフシフト・ソリューション部開発グループグループ長の宇山直樹氏は語る。こうした状況を変えるべく、SMBCが2022年7月29日に取り扱いを開始したのが、「成年後見制度SMBCサポートサービス」だ。後見人を対象に、入出金管理や裁判所に提出する報告書の作成を支援する。

三井住友銀行の「成年後見制度SMBCサポートサービス」の概要
三井住友銀行の「成年後見制度SMBCサポートサービス」の概要
(画像:三井住友銀行)
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 認知症をはじめ、判断能力の欠如によって金融サービスなどの契約行為に支障をきたす人を支援するための成年後見制度だが、普及に向けた道のりは途上だ。SMBCによると、判断能力に問題を抱える人が約1000万人と推計されるなか、成年後見制度の利用者は23万人にとどまる。理由の1つが、煩雑な事務負担だとする。

 成年後見制度SMBCサポートサービスは大きく2つの機能を提供することで、後見人の事務効率化を実現する。

 1つが、家計簿機能だ。後見人が使いやすい工夫を施した。例えば、被後見人の家族も一緒に食べる食料品を購入した際の支出額を案分したり、10万円以上の高額支出を登録する際、裁判所に事前通知したかを確認するアラートを出したりといった機能を実装している。「食費」「通信費」といった支出内容はクリックで選択できるようにもした。

 手入力のユーザーが多いと見込むが、被後見人がインターネットバンキング(IB)を開設していれば、マネーツリーの「Moneytree LINK」と連携させ、口座残高や入出金明細を自動収集することも可能だ。ただし、IB情報の収集を許可するかの判断は各金融機関に委ねられる。

 もう1つが、裁判所に提出する各種報告書の作成支援。質問項目に回答を入力することで、裁判所が定める書式に沿った報告書を出力する。現在は東京家庭裁判所のみに対応しており、順次拡充する。家計簿機能で管理する情報も自動反映し、報告書作成の手間を軽減する。

 成年後見制度においては、司法書士や弁護士といった専門家が後見人を務めることが多い。複数の被後見人を抱える専門家もおり、高いニーズと長期間の利用が見込めるという。