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 ビックカメラは2022年9月15日、ITエンジニア採用のための新会社を同日付で立ち上げたと正式に発表した。エンジニアを200人規模で採用し、システム内製に舵(かじ)を切る方針だ。

 新会社は「ビックデジタルファーム」。資本金は5000万円で、ビックカメラの100%子会社となる。社長にはビックカメラの野原昌崇執行役員デジタル戦略部長が就いた。ビックデジタルファームはITエンジニア市場に合わせた給与水準を用意したほか、リモート勤務やフレックス制度など、エンジニアが働きやすい人事制度を整えた。

新会社「ビックデジタルファーム」の社長に就任した、ビックカメラの野原昌崇執行役員デジタル戦略部長。2022年6月撮影
新会社「ビックデジタルファーム」の社長に就任した、ビックカメラの野原昌崇執行役員デジタル戦略部長。2022年6月撮影
(写真:村田 和聡)
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 ビックカメラは新会社を通じて「5年以内にITエンジニア200人の採用を目指す方針だ」(野原執行役員)。初年度(2023年8月期)末までに50人ほどを採用する計画だが、新会社設立前の2022年5月から先んじて採用活動を始めており、すでに20人を採用済み。「残り1年で30人ほど(の採用)を計画するが、採用活動は非常に順調だ」(同)。

「DX宣言」でエンジニアにアピール

 野原執行役員が「順調」と話すのには訳がある。ビックカメラは2022年6月に、「DX宣言」と題するニュースリリースを打ち出した。ビックカメラがこれからデジタル戦略に力を注ぐというメッセージを対外的に発信することで、「デジタル戦略を一緒に推進してくれる仲間(ITエンジニア)を集める狙い」(ビックカメラの木村一義前社長)があった。実際、中途採用の月間の応募者数は、宣言前と比べて20倍になったという。

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 DX宣言を強力に推し進めてきた木村氏は2022年8月末で社長を退任し取締役となったが、野原執行役員は「トップが交代しても、ビックカメラがデジタル戦略に力を注ぐ方針は変わらない」と断言する。「秋保(徹)新社長からはIT部隊に対し、『ビックデジタルファームを含め、今まで通りのスピード感を持ってデジタル戦略を進めてほしい』とメッセージがあった」(野原執行役員)という。