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 ファーストリテイリング傘下のユニクロが、会員向けアプリ上で商品の陳列場所を検索できる「売り場検索」機能を試験運用中であることが、日経クロステックの取材で2022年9月20日までに分かった。米国の大手小売業がこぞって提供する同機能が、日本の流通業でも広まる可能性がありそうだ。

ユニクロが会員向けアプリ内で、 商品の売り場をマップ上に表示する「売り場検索」機能を試験運用中だ
ユニクロが会員向けアプリ内で、 商品の売り場をマップ上に表示する「売り場検索」機能を試験運用中だ
(撮影:日経クロステック)
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都内4店舗で試験運用中か

 ユニクロの会員向けスマートフォンアプリ「ユニクロアプリ」上で、探したい商品と店舗を指定し「売場検索」のボタンをタップすると店内マップ上に陳列場所が表示できる機能が、一部店舗で利用できるようになっている模様だ。日経クロステックの調べでは、2022年9月20日時点でユニクロ原宿店や銀座の「ユニクロTOKYO」など少なくとも東京都内4店舗が対応していることが分かった。同機能を使えば顧客は店内でさまようことなく、お目当ての商品を見つけられる。

商品と店舗を指定し、「売場検索」のボタン(写真左)をタップすると、 店内マップ上に商品の陳列場所が表示される(写真右)
商品と店舗を指定し、「売場検索」のボタン(写真左)をタップすると、 店内マップ上に商品の陳列場所が表示される(写真右)
(画像:ユニクロアプリを日経クロステックが画面キャプチャー)
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 記者が実際にユニクロTOKYOで同機能を複数回試したところ、いずれも指定された陳列棚に商品が置かれていることを確認できた。検索結果の画面には陳列場所を表示したマップの上部に「一部店舗のみで試験運用中のサービスです」と表示され、検索後には同機能の感想を求めるアンケートページも用意されていた。ユニクロは顧客の反応を見て同機能を正式に実装するか判断するものとみられる。

 ファーストリテイリング広報は「売り場検索機能を試験運用中であることは事実。今後、正式に実装するかも含めて効果を検証していく」とした。同社は詳細を明らかにしていないが、ユニクロアプリでの実証実験は少なくとも9月に入ってから開始したといい、「終了時期は未定」(ファーストリテイリング広報)。ユニクロのほか、同じくファーストリテイリング傘下のジーユー(GU)の一部店舗でも同様の機能を試験運用中だという。

大手小売業がこぞって取り組む訳

 実は同様の機能は大手小売業を中心に広がりをみせている。米Walmart(ウォルマート)や米Home Depot(ホーム・デポ)、米Lowe's(ロウズ)といった、超大手小売業が同機能を数年前からこぞって実装し、国内小売業でもじわり広がり始めている。

 ホームセンター大手のカインズは2020年の会員向けアプリリニューアル時に目玉機能として同機能を実装した。ニトリも2020年にEC(電子商取引)サイトと会員向けアプリに同機能を取り入れている。

 各社が会員向けアプリに売り場検索機能を実装する狙いは大きく3つある。

 1つは顧客の利便性向上だ。来店客は店舗でわざわざ従業員に声をかけなくてもアプリ上で商品の陳列場所を特定できるため、顧客の満足度向上が期待できる。

 2つめは従業員の負荷軽減だ。来店客から商品の場所を聞かれる回数が減り、売り場案内に割く時間を減らせるメリットがある。