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 「SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)ベンダーを光る存在にしていくというのは、私自身のライフワークの1つ。世の中の新たなニーズにも合っており、我々にはモノを作って売っていくノウハウがある。たぶん、うまくいくのではないか」。企業向けソフトウエアの開発・販売などを手掛けるパトスロゴスの牧野正幸CEO(最高経営責任者)は2023年3月に投入予定の新サービス「HR共創プラットフォーム」に関して、こう自信を見せる。

パトスロゴスの牧野正幸CEO
パトスロゴスの牧野正幸CEO
(撮影:日経クロステック)
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 牧野氏はERP(統合基幹業務システム)業界における著名人の1人。旧ワークスアプリケーションズ(現在はWorks Human Intelligenceとワークスアプリケーションズなどに分社)創業者である同氏は2019年に旧ワークスを退社し、20年にパトスロゴスを設立。ただし、21年6月時点では「ERP分野は手掛けない」としていた。

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 この頃は「競業避止の制約がかかっていたこともあり、ERPの領域には行きづらかった」と、牧野氏は説明する。実際には新サービスに向けて「裏ではいろいろと動いていた」(同)。制約が解けた21年10月ごろから、表立ってERP分野でのサービス提供に向けて本格始動した格好だ。

複数のSaaSを組み合わせたコンポーネント型を採用

 牧野氏にとってERP領域への復帰第1弾となるHR共創プラットフォームは、人事・給与をはじめとするHR関連の機能を提供する中堅・大手企業向けクラウド型ERP。必要な機能を網羅して1つのパッケージとして提供する一般的なERP製品(統合型ERP)と異なり、複数のSaaSを組み合わせたコンポーネント型のアプローチを採るのが特徴だ。

 中核を成すのは、パトスロゴスが開発した「Composite人事給与」。給与計算や人事発令・管理などの機能をSaaSとして提供する。「給与計算の遡及処理を可能にするなど、大企業に必要な機能を盛り込んでいる」(牧野氏)。これに同社のパートナー企業が提供する、タレントマネジメントなどHR(人材管理)関連の業務特化型SaaSを必要に応じて組み合わせる。Composite人事給与と各社のSaaSは、HR共創プラットフォームの共通データベースを介してデータを共有する。

 HR共創プラットフォームとして提供するサービス全体の販売や導入支援、保守はパトスロゴスが担当する。料金は「どのSaaSを使うかにもよるが、トータルでは統合型ERPよりも低くなる可能性が高い」(牧野氏)。労務管理用SaaSを提供するSmartHRやタレントマネジメント用SaaSを提供するカオナビなどが同プラットフォームのパートナーになる予定で、サービス提供開始までにさらに増やしていく計画だ。「全てのHR系SaaSをつなげるのが理想」と牧野氏は話す。