全1649文字
PR

 全国約1700の地方自治体の情報システムを標準化・共通化する「自治体システム標準化」の動きが本格化する中、多くの人口を抱え、標準準拠システムへの移行が困難とみられる政令指定都市の標準化を円滑に進めるため、河野太郎デジタル相は新たな施策を打ち出した。

「現状の仕様書だとITベンダーは政令市の業務に合ったシステムを作れない」

 自治体システム標準化を巡っては2022年8月31日、対象となる20業務の「標準仕様書」が出そろった。同日、デジタル庁は標準化推進の方向性を定める「基本方針」案を示した。2022年10月上旬にも閣議決定する。標準準拠システムへの移行期限は2025年度末である。

 こうした中、河野デジタル相が打ち出したのが、政令市とITベンダー、関係省庁が標準化を推進するための検討会をデジタル庁が立ち上げることと、横浜市など3政令市長とデジタル庁の幹部らが月1回程度の進捗確認を行うことの2点である。

 「20業務について標準仕様書が出ているが、政令市には区があるなど他の自治体とは業務フローが異なる。それが仕様書には反映されていないという懸念があった」。2022年9月30日の記者会見で河野デジタル相はその背景をこう説明した。政令市、ITベンダー、デジタル庁の検討会では、政令市の観点を標準仕様書に盛り込むために、現状の標準仕様書を2023年3月までに点検し、改善提案を取りまとめる。

 その前日の2022年9月29日、河野デジタル相は自治体システム標準化を巡り山中竹春横浜市長、久元喜造神戸市長、永藤英機堺市長と意見交換し、3政令市長から直接その懸念を聞いた。久元神戸市長は全国20の政令指定都市から成る指定都市市長会の会長を、永藤堺市長は同会のデジタル化推進担当をそれぞれ務める。

 「現状の仕様書ではITベンダーは政令市の業務に合ったシステムを作れない」「政令市の業務に適した標準仕様書が必要だ」。3政令市長は現状の標準仕様書や基本方針案では政令市にとっては不十分だと訴え、自治体とITベンダー、関係省庁とデジタル庁が連携して取り組む場の設置を要望した。

河野太郎デジタル相は2022年9月29日、山中竹春横浜市長、久元喜造神戸市長、永藤英機堺市長とオンラインで意見交換を行った
河野太郎デジタル相は2022年9月29日、山中竹春横浜市長、久元喜造神戸市長、永藤英機堺市長とオンラインで意見交換を行った
(出所:横浜市)
[画像のクリックで拡大表示]