カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が三井住友フィナンシャルグループ(FG)とポイント事業を統合する方針を打ち出した。CCCはポイント事業に関し、有力加盟企業の離脱など苦境にあえいでいた。ヤフーやソフトバンクの離脱などで「空席」だったパートナー選びはひとまず決着しそうだが、劣勢を打開できるかは不透明だ。
「世界1億店舗で使えるVポイントとの提携は、Tポイントの現会員にとって利点が大きい」。2022年10月3日、CCCの田代誠COO(最高執行責任者)特別補佐官は、三井住友FGとの資本・業務提携に関する記者説明会でこう強調した。
提携の枠組みはこうだ。2024年春をめどに、CCCが子会社のCCCMKホールディングス(HD)を通じて展開する「Tポイント」と、三井住友FG傘下の三井住友カードが手掛ける「Vポイント」を統合する。両ポイントを統合し、新たなポイントブランドを創出する計画だ。
さらに、決済・ポイント事業を共同運営するため、CCCMKHDに三井住友グループが出資する方向で協議しており、株式保有比率はCCCが6割、三井住友グループが4割を目安にしている。ポイントと決済を組み合わせた新たなモバイル決済サービスなども検討するとしている。
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CCCにとって、ポイント事業を共同運営するパートナーは不可欠な存在だ。NTTドコモや楽天グループといった共通ポイント事業を手掛けるライバルに比べて、経営体力で大きく劣るからだ。
CCCの2022年3月期の連結売上高は1819億円。前期の2982億円から4割もの減収だった。減収傾向に歯止めがかからない状況で、売り上げ規模は楽天グループの約9分の1の水準にとどまる。