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 「(自動車に)ADAS(先進運転支援システム)の機能に追加して、V2X(Vehicle to Everything)通信の機能を装備すれば、15年後には交通弱者(VRU、Vulnerable Road Users)の交通事故のうち78%を、30年後には同90%を防止できる」。2022年10月に開催された「SIP-adus Workshop 2022」に登壇したドイツContinental(コンチネンタル)のBettina Erdem氏は、こう語った()。

登壇したコンチネンタルのBettina Erdem氏
登壇したコンチネンタルのBettina Erdem氏
(写真:日経クロステック)
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 これは日本の交通事故に対してコンチネンタルが行った分析に基づくものである。同社では、15年後にはADASが76%のクルマに搭載されると推定している。そのADASにV2X通信の機能を追加装備することで、ADASだけなら55%にとどまるVRUとの交通事故の低減率を、前述の78%まで上げられるとみている。

 V2X通信の機能を車両に搭載することで、Cooperative Awareness Message(CAM、協調認識メッセージ、自車の走行情報をのせたメッセージ)を送る。さらには、ADASのカメラやミリ波レーダー、LiDAR(レーザーレーダー)で検知した情報を、Collective Perception Message(CPM、集団認知メッセージ)として送る。それにより、15年後には、ADASのみの場合よりも同事故をさらに23ポイント減らせるという。

 もっとも、これらの情報をV2X通信でVRUや他の車両と共有するには、ITS(高度道路交通システム)用の周波数帯の帯域幅が現状のままでは足りない。同氏によれば、隊列走行や操縦協調などの協調型自動運転までを視野に入れると、国際的に標準となっている5.9GHz帯に70MHz幅の帯域を追加で確保する必要があり、世界的にも推奨されているという。