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 NTTドコモ子会社で、電動アシスト付き自転車のシェアリングサービスを展開してきたドコモ・バイクシェア(東京・港)は、電動3輪ミニカーでもシェアリングサービスを始める計画だ。2022年10月28~29日には東京都中央区日本橋の「コレド室町」周囲の一般車道約1kmのコースを走る試乗会を開催した。試乗会参加者にアンケートの形で感想を聞くことで、サービス内容の詳細を決めるうえでの参考にするという。試乗会は2022年11月25~26日にも同じ場所で実施する予定。

 今回利用した電動3輪ミニカーは、レーシングドライバーの井原慶子氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)を務めることで知られるFuture(東京・港)が開発した「GOGO!」シリーズの車両。前輪が2輪あり、カーブでは2輪感覚で体を傾けることでも曲がれるのが特徴だ。Futureは既に独自のシェアリングサービス「GOGO!シェア」を名古屋市など地方都市で始めている。

図1 試乗に用いた電動3輪ミニカーとFuture 代表取締役 CEO の井原慶子氏(左)
井原氏は、日産自動車 独立社外取締役および慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任教授も兼ねる。(写真:日経クロステック)
図1 試乗に用いた電動3輪ミニカーとFuture 代表取締役 CEO の井原慶子氏(左)
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「LUUP対抗ではないが…」

 ドコモ・バイクシェアは自転車のシェアリングでは国内のパイオニアの1社だが、アシストではない電動2輪のシェアリングサービスでは「LUUP」などに先行を許した。ドコモ・バイクシェアは「特にLUUP対抗というわけではない」としながらも、この車両を選んだ理由として、「3輪ということで、2輪よりは転倒しにくい。また、カゴ付きの荷台で荷物を運べる」点を挙げ、LUUPの電動キックボードなどとの違いをにじませた。

 ちなみに、LUUPの電動キックボードは、フォークリフトなどと同じ小型特殊自動車という区分に属し、公道での運転には原動機付き自転車免許(原付き免許)ではなく、小型特殊免許もしくは普通自動車免許が必要。LUUPのサービスにおける公道での最高速度は15km/時だ。

 一方、今回の電動3輪ミニカーは、「今回の試乗会を含め、普通自動車免許が必要」(ドコモ・バイクシェア)注1)。フル充電後の航続距離は約40km、車両としての最高速度は約45km/時である。ただし、試乗会では「最高速度は約30km/時に設定した」(同社)。実サービスでの最高速度は未定だという。

注1)原動機付き自転車免許(原付き免許)一種で乗れる50cc原付き3輪車との違いは、輪距(左右の車輪の接地面の中心間距離)が500mm以下か以上か。
図2 “ギア”は6段階
液晶パネル中の「THL」はいわゆる変速機(ギア)に相当し、0(ニュートラル)~5の6段階。最高速度は記者が試乗すると最大34.9km/時まで出た。「乗り手の体重によっては設定速度(30km/時)より速くなる」(ドコモ・バイクシェア)。(写真:日経クロステック)
図2 “ギア”は6段階
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