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 ANAホールディングス(HD)がスーパーアプリ戦略を本格的に始動させた。このほど既存のマイレージ会員向けアプリを刷新し、航空やマイレージ、決済、電子商取引(EC)など複数のミニアプリを搭載できるようにした。さらに2023年には、ANAグループのECモールやQRコード決済サービス「ANA Pay」なども順次刷新する計画だ。

 いずれの領域も競合他社がひしめくレッドオーシャンである。だが、ANAHDは新型コロナウイルス禍であらわになった「航空一本足」の危うさから早期に脱却すべく、非航空事業を5年間で倍増させるというコミットメントを掲げて飛び込んだ。

決済を2023年春に刷新、マイルと組み合わせた経済圏に

 ANAHDは2022年10月20日に「ANAマイレージクラブアプリ」を刷新し、トップページの中央部という「特等席」にミニアプリの起動アイコンを配置した。ミニアプリは現時点で10種類あり、例えば航空券の予約や空港での搭乗手続きに使える「ANAアプリ」や、徒歩移動によりマイルなどを受け取れる「ANA Pocket」などがある。

スーパーアプリとして刷新した「ANAマイレージクラブ」アプリのトップページ。中央部にミニアプリのアイコンを、下部中央にキャッシュレス決済サービス「ANA Pay」のアイコンを配置した
スーパーアプリとして刷新した「ANAマイレージクラブ」アプリのトップページ。中央部にミニアプリのアイコンを、下部中央にキャッシュレス決済サービス「ANA Pay」のアイコンを配置した
(出所:アプリ画面を日経クロステックがキャプチャー)
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 「ミニアプリを順次追加してANAマイレージクラブアプリの魅力を高めていく。ゆくゆくはスーパーアプリと評価されるように育てていきたい」。ANAHDの子会社でスーパーアプリ戦略の実務の担い手となるANA Xの轟木一博社長は、同日に新アプリの発表会でこう意気込みを語った。

スーパーアプリ戦略について発表会で話すANA Xの轟木一博社長
スーパーアプリ戦略について発表会で話すANA Xの轟木一博社長
(写真:日経クロステック)
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 新アプリではさらに、最下部に並ぶタブアイコンの中央にひときわ大きな「Pay」というアイコンを配置。スーパーアプリ戦略の要として、ANAグループのキャッシュレス決済サービス「ANA Pay」を位置付けていることがうかがえる。

 ANA Payを巡っては、2023年春に刷新し、決済サービスとしての使い勝手を大幅に向上させる計画であると明らかにした。現行のANA Payはジェーシービー(JCB)のQRコード決済プラットフォーム「Smart Code」を使用しており、ANA PayへのチャージはJCBのクレジットカードに限られるうえ、決済できる店舗はSmart Codeの加盟店のみとなっていた。

 2023年春以降は新たに、マイル残高を1マイル単位でANA Payにチャージできるようにする。これ以外にも銀行口座やATMからのチャージを可能にするほか、決済も非接触ICを使ったいわゆる「タッチ払い」や、アプリ画面に表示されたカード番号をECサイトなどに入力して決済する「バーチャルプリペイドカード払い」へ新たに対応する。

キャッシュレス決済サービス「ANA Pay」は2023年春に機能強化を図る
キャッシュレス決済サービス「ANA Pay」は2023年春に機能強化を図る
(写真:日経クロステック)
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 チャージと決済ともに対応可能なチャネルを増やすとともに、ためたマイルをANA Payの残高に移し替えて日常生活で使う流れをつくり、マイレージやANA Payの「経済圏」としての活性化を図る方針だ。